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ベテランになった宮里藍の次の目標。
「世界1位」より大切にしているもの。

posted2016/09/04 07:00

 
ベテランになった宮里藍の次の目標。「世界1位」より大切にしているもの。<Number Web> photograph by Shizuka Minami

プレーの精度、大会に臨むメンタル、プロアスリートとしての矜持……すべてにおいて高みを目指した宮里は、日本人アスリートのロールモデルとなった。

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南しずか

南しずかShizuka Minami

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Shizuka Minami

 夏のデトロイト、うだるような湿気の昼間から気温がだいぶ下がり、風が心地の良い夜だった。その日、オフだった宮里藍と待ち合わせをし、落ち着いた雰囲気のカフェに入る。ゴルフ場にいる時とはうって変わってのんびりモード……ということはなく、宮里はいつも通り、明るくハキハキ喋り、ついでに軽い冗談を言って「クククッ」と笑いながら話していた。

 女子ゴルフ界の不動のスター“藍ちゃん”は、今年プロ13年目となった。31歳となり、何か心境に変化はあるのだろうか?

 私はアールグレイティーをゴクリと一口飲んで、さっそく本題に入った。

未来よりも、今やるべきことを一生懸命に。

――20代と30代では色々変わってくると思いますが、いかがでしょうか?

「それは、いろいろ考えることありますよ(笑)。ゴルファーじゃなくても、そうじゃないでしょうか」

――宮里さんが目指してるものとは?

「私は最近、先のことを考えるのを止めました。それこそ29歳から30歳ぐらいにかけて『自分がどうなっていきたいのか』っていうのを、すごく考えました。でも未来を考えてもしょうがないというか、理想はあるけど理想通りにいかないから頑張るしかないというか、この頑張った先に理想があるかもしれないし……。

 そう考えたら、今、与えられたことを、自分で頑張るって決めたことを、一生懸命やるしかないなと」

――約2カ月前に、ステイシー・ルイスが「(私は)もう世界1位にならなくていい」と言いました。

「それは、この間(ステイシーと)一緒にラウンドした時に感じましたね」

【次ページ】 世界1位を維持する大変さはもう知っている。

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