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成功例は武藤敬司、オカダは失敗!?
中邑真輔が挑む「凱旋」という道。 

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堀江ガンツ

堀江ガンツGantz Horie

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photograph byTadashi Shirasawa

posted2016/08/18 11:00

成功例は武藤敬司、オカダは失敗!?中邑真輔が挑む「凱旋」という道。<Number Web> photograph by Tadashi Shirasawa

NXTのエースとして母国に熱を持ち帰る――中邑が新時代流の“凱旋帰国”を果たす日が待ち遠しい。

オカダの凱旋帰国自体は、実は失敗だった。

 武藤以降も海外遠征からの凱旋帰国をしたレスラーは何人もいるが、プロレス界の流れを変えるほどのインパクトを与えた例はない。

 いまをときめく“レインメーカー”オカダ・カズチカは、アメリカの団体TNAでの修行を経て、2012年1月4日の東京ドームで帰国第1戦を行い、YOSHI-HASHIに勝利したものの、試合自体のインパクトは大きくなく、棚橋弘至の持つIWGP王座挑戦を表明した際は、ファンから大ブーイングを浴びてしまう。オカダの凱旋帰国自体は失敗だったのだ。

 帰国第1戦でつまずくと、その後は低迷してしまうのが常であるが、オカダはすぐさま同年2月12日に棚橋を破りIWGP王座を奪取。その後、自らの実力でファンを納得させ、トップへのし上がっていった。このような芸当ができたのは、日本のプロレス史でも稀。やはり、オカダはそれだけ特別な存在だと言えるだろう。

 近年は、アメリカマット界でメジャーと呼べる団体がWWEだけとなったため、新日本の若手レスラーの海外遠征先は、協力関係にあるメキシコの団体CMLLが中心だ。

 海外遠征からの帰国も、渡辺高章が“キング・オブ・ダークネス”EVILとなって、内藤哲也の“パレハ(相棒)”として突如現れるなど、これまでの凱旋帰国とは意味合い、方法論が違うものとなってきた。

 次なる凱旋帰国は、カマイタチと改名し、メキシコのメジャータイトル、CMLL世界スーパーライト級王座を奪取した高橋広夢。現在は新日本と協力関係にあるアメリカの団体ROHに参戦している彼が、どんなかたちで帰ってくるのかが注目されている。

中邑には、「アメリカのトップ」という期待がかかる。

 そんな中でもやはり中邑真輔には、武藤敬司以来のアメリカマットでトップに立っての凱旋に期待がかかる。

 8月21日(日本時間)「NXTテイクオーバー」にて、中邑はサモア・ジョーの持つNXTヘビー級王座への挑戦が決定。WWE入りして4カ月で早くも、ベルトを巻くチャンスがやってきた。

 このNXT王座奪取の先には、近い将来のWWE本体のトップでの活躍もすでに視野に入っているはずだ。次回、中邑真輔が帰ってくるときこそが、本当の意味での凱旋帰国。プロレス人気をさらに盛り上げる起爆剤となる。

 その日が、いまから待ち遠しい。

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