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結成1年4カ月、「失うものはない」強さ。
バド数野・栗原組が歴史変える快進撃。 

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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photograph byJMPA

posted2016/08/14 14:00

結成1年4カ月、「失うものはない」強さ。バド数野・栗原組が歴史変える快進撃。<Number Web> photograph by JMPA

バドミントンは日本の躍進が著しい競技だが、中でも数野・栗原組の今大会の活躍は事前の期待度を大きく上回っている。

威力の数野と長身の栗原、相性はばっちり。

 男子ダブルス時代に前衛をやっていた数野は、混合ダブルスでは後ろのカバーがメインということで、前後左右に繰り返し動かされる練習が急増。あまりのきつさに、すぐに体重が3キロも減少した。

 逆に、女子ダブルスで後衛をやっていた栗原は、スピード展開への対応をより求められる前衛になったことで、戸惑いや苦しみがあった。男子ダブルスが相手の練習では、スピードについていけず、落ち込む日もあった。

 それでも、威力のあるスマッシュとスピードを武器とする数野と、173cmと長身の栗原のコンビは相性がピッタリだった。結成から初めての公式戦となった昨年5月の同杯では、3勝をマークして周囲を驚かせた。日本は準優勝に輝いた。

 しかし、同時期にスタートしていたリオ五輪出場権を獲得するためのランキングレースでは、プレッシャーに悩まされた。

 スディルマン杯でも感じたように、持ち味の攻撃は世界のトップ選手相手にも通用するという自信があったが、混合ダブルス特有の組み立てや、相手陣内の弱点を突くプレー、レシーブからの展開はなかなかうまくいかなかった。

栗原「離されるような場面で我慢できている」

 状況が上向きになったのは、練習中の衝突や大爆発を何度かしているうちに互いが本音で向き合えるようになってからだ。ランキングレースで徐々にポイントを稼ぎ、今年5月の世界ランクで、リオ五輪代表に滑り込んだ。

 今回は「失うものは何もない」という突き抜けた気持ちでリオに入ったことも功を奏しているようだ。

 あれよあれよの1次リーグ突破。数野はその要因をこのように分析する。

「1つはしっかりと自分たちの持ち味である攻撃面を出せていること。それと、リードされている場面で気持ちを切らさないでいると、そのセットで追いついたりできている。それが調子の良い要因だと思う」

 栗原は「今までは競っても負ける試合や、点数が離されてそのまま追いつけずに負けるという試合があったけど、五輪では離されるような場面で少しでも我慢できている。それが良いのだと思う」と手応えを口にする。

【次ページ】 日本では目立たない存在だった種目に光を。

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