リオ五輪PRESSBACK NUMBER
結成1年4カ月、「失うものはない」強さ。
バド数野・栗原組が歴史変える快進撃。
posted2016/08/14 14:00
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph by
JMPA
金メダルを含む複数メダル獲得に向けて快進撃を続けている日本バドミントン勢において、結成からわずか1年4カ月という混合ダブルスペア、数野健太・栗原文音組が、史上初となる準々決勝に進出。「1つでも多くの試合をしたい」と意気込んでいる。
混合ダブルスは16組が出場。4組ずつ4グループに分かれて、総当たりで1次リーグを行い、各グループ上位2組が決勝トーナメントに進出する。
数野・栗原組は11日の初戦でアレンズ・ピーク組(オランダ)に2-0で勝って白星発進すると、続く12日の第2戦では格下の米国ペアにも2-0で勝利した。
2試合終了時点でベスト8進出を決めた2人は、1位通過を懸けた13日の第3戦で、世界ランク2位の強敵、コ・ソンヒョンとキム・ハナ(韓国)のペアと対戦。第1ゲームでは一時リードを奪うなど善戦して23-25、第2ゲームは序盤からつねにリードされる展開となったが、大きく突き放されることなく食らいついて17-21。ゲームカウント0-2で敗北した。
数野は「日本選手団がずっと勝ち続けてきたので、途切れさせたくないという思いがあったが、細かいところでのミスが多かった」と悔しさを覗かせ、栗原も「良いプレーも出せたけれど、大事な場面でのミスや、サーブの場面での差を感じた」と残念そうな表情を浮かべた。
混合ダブルスには、固有の難しさがある。
とはいえ、いずれも初めて組むこととなった2人が、結成からわずか1年4カ月で日本の混合ダブルス史上初の五輪のベスト8入り。これは快挙だろう。
ゼロからスタートした混合ペアだ。
男子ダブルスをやっていた数野と、女子ダブルスをやっていた栗原のもとに混合ペアを組む話が来たのは、昨年4月のこと。2人は、1カ月後に開催される男女国別対抗のスディルマン杯で混合ダブルスのポイントを稼ぐべく、すぐに猛練習をスタートさせた。
しかし「話が来たときはうれしく思ったし、このチャンスを生かしたいと思った」(栗原)という意欲にもかかわらず、混合ダブルスの動きの難しさや練習のきつさに、音を上げそうになる日々が続いた。