リオ五輪PRESSBACK NUMBER
日本競歩、初入賞は悔しさと共に。
松永大介が4年後のメダルを宣言。
posted2016/08/13 14:00
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph by
JMPA
日本人トリオが今季世界ランク1位から3位までを独占して期待を集めていた陸上男子20km競歩。結果は、世界ランク3位の21歳・松永大介が、この種目で初の入賞となる7位になったのを筆頭に、同2位の藤沢勇は21位、同1位の高橋英輝は42位という成績だった。
リオデジャネイロ・バッハ地区の海岸沿いにつくられた周回コース。強い日差しが照りつける中、松永は、序盤の3km付近で一時先頭に立ち、折り返しの10km手前では先頭を行くトム・ボスワース(英国)に迫るなど見せ場をつくった。しかしペースが一気に上がってスピード勝負になった終盤は、上位についていけなかった。
経験豊富な藤沢も、序盤は常に10位台をキープしていたが14km以降は徐々に後退。世界ランク1位の高橋はラスト5kmで大きくペースダウンした。
世界ランク1位から3位を独占しながらも7位が最高。
気象条件やレースの駆け引きなど、様々な要素が絡んでくる国際大会では、持ち時計と実力は決してイコールで重なるものではない。ただ、世界ランク1位から3位までを独占しながら7位が最高というのはやはり物足りない。
しかしながらメダルにこそ届かなかったものの、松永がこの種目で日本選手史上初となる7位入賞を果たし、陸上史に新たな一歩を刻んだのも事実だ。
2020東京五輪に向け、日本競歩界がリオ五輪のレースから得た希望と、課題は何だろうか。
7位でフィニッシュした松永は、「最後はこれが世界のトップレベルかと感じた。耐えることが精一杯だった中で、世界との差を痛感した。ただ、自分としてはメダルが目標だったので、入賞は悔しいです」と苦笑いした。ゴール直後は悔し涙を堪えるのに必死だった。