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萩野公介、金メダル→7位→次は?
「達成感」を捨て、リレーは期待大。 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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posted2016/08/09 15:00

萩野公介、金メダル→7位→次は?「達成感」を捨て、リレーは期待大。<Number Web> photograph by AFLO

孫楊の横で悔しさをにじませる萩野。7位という結果が再び闘志に火をつけるはずだ。

400m個人メドレー金での「達成感」後の難しさ。

 推測の域を出ないが、考えうるのは1つ。「達成感」ではなかったか。

 400m個人メドレーは、瀬戸大也という小学生時代からのライバルとの対決が何カ月も前からクローズアップされてきた種目だった。競泳の全種目の中で、もっとも大きな注目を集めたと言ってよい。

 瀬戸以外にアメリカのチェイス・カリシュというメダルを競う相手もいた。容易ではないレースへの意識は、否が応でも高くなる。

 いきなりの大一番で思い通りの泳ぎをして、3年ぶりの日本新記録とともに念願の金メダルを手にした。一度頂点に立つと、気を緩めるつもりがなくても、どうしてもどこかで気持ちが落ち着いてしまいがちだ。

 過去にも似たケースは少なからずある。1996年のアトランタ五輪でのこと。田村亮子が準決勝で最大の強敵に勝利した直後の決勝で敗れた。のちに自ら準決勝を勝ち抜いたあとの気持ちの変化を語っている。

「また明日から始まるので、気持ちを切り替えて」

 自身のパフォーマンスは上がっていて、体調も問題ないにもかかわらず、決勝でタイムを落としての結果は、おそらくそんな微妙な按配がもたらしたのだろう。

「本当に今日は悔しいです」

 表情からも、悔しさはありありと見てとれた。

 だから、次のレースは期待が持てる。ここで心身ともに立て直せるからだ。

 萩野自身も言う。

「いやあ、本当に今日は悔しいですが、また明日から始まるので、気持ちを切り替えてしっかりいいレースをしていきたいと思います」

【次ページ】 松田、江原、小堀と戦うリレーで再び歴史を動かす。

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