リオ五輪PRESSBACK NUMBER
日本時間6日8時15分の瞬間に――。
五輪開会式に託されたメッセージ。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAFLO
posted2016/08/06 14:30
厳しい戦いが待ち受ける選手たちも、このときばかりは満面の笑みを見せてくれる。
「平和だからこそ味わえる喜びでいっぱい」
「平和だからこそ味わえる喜びでいっぱい。この喜びをかみしめなければいけない」
日本選手団団長の橋本聖子は、式のあと、こうコメントしている。
日本は旗手を務めた陸上・十種競技の右代啓祐を先頭に、104番目に入場。8年ぶりに開会式に参加となった福原愛の笑顔が見える。厳しい指導で知られるシンクロナイズドスイミングの井村雅代も、この日ばかりはにこやかだ。
明るい表情の萩野と瀬戸、一方で重量挙げ三宅は……。
それぞれに、この舞台を目指してきた。リオ入りしてから、それぞれの表情を見せてきた。
明日6日に行なわれる競泳400m個人メドレーに出場する萩野公介と瀬戸大也は、ともに明るい。
「今が最高の泳ぎだと思います」(萩野)
「仮に負けても、公介を余裕で称えられます。やるべきことをやってきましたから。まあ、負けることはないと思います」(瀬戸)
両者譲らず、自信を見せる。
対照的な表情はウェイトリフティングの三宅宏実だ。3月から苦しんできた腰痛が悪化。日に日に痛みが増しているという。
それでも、あきらめはない。
「一発にかけます。オリンピックは何が起こるか分かりません」
三宅に限らない。故障を抱えつつ、大舞台に臨まなければならない選手も少なくない。