リオ五輪PRESSBACK NUMBER
渡部香生子、涙のロンドンから4年。
伊藤華英が「繊細」と感じる理由。
text by
伊藤華英Hanae Ito
photograph byAFLO
posted2016/08/08 07:00
昨年の世界選手権で果たした18歳265日での優勝は、日本の最年少記録。渡部香生子は間違いなく、スペシャルな選手の1人なのだ。
涙の香生子から、笑顔の香生子へ。
そんな中、オリンピックの内定を持たない選手が命をかけて戦う、オリンピック選考会が4月に行われた。香生子にとっては、不安の多いレースだった。彼女自身は、オリンピック行きを決めている。でも、勝たないといけない。当然プライドがあるし、本番前の時期に、勝てない自分とは出会いたくない。
200m平泳ぎは、世界記録に0.54と迫った金藤理絵選手には敗れたものの、2位。100mでは見事3連覇を果たした。「香生子、スイッチ入ればいける」と思わせてくれたレースでもあった。
200m個人メドレーではまさかの3位で代表を逃してしまったが、この落選は良い方向に向かうと信じている。何より、平泳ぎに集中できるチャンスだ。
最近は、練習も充実したものになった。この激動の4年間が彼女をタフにしたのだろう。
きっとこのリオが、渡部選手が、新たな自分に出会える場所になることを信じている。
涙の香生子から、笑顔の香生子へ。