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バルサのカンテラは終わったのか。
「強すぎるトップチーム」の弊害。 

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工藤拓

工藤拓Taku Kudo

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posted2016/08/05 11:00

バルサのカンテラは終わったのか。「強すぎるトップチーム」の弊害。<Number Web> photograph by AFLO

カンテラ育ちのための席が減り続けるバルサで、サンペールは居場所を確保することができるだろうか。

サンドロ、モントーヤはなんと無償での移籍。

 その後ロベルトはバルトラの後釜として、リヨンのウムティティを獲得した。EURO2016でフランス代表の初キャップを刻んだばかりの選手に、2500万ユーロも払ってである。もちろんポテンシャルは高いのだろうが、バルサのフットボールへの適応有無が未知数な22歳に、はたして現時点でバルトラの倍以上の価値があったのかは甚だ疑問である。

 他のケースはもっとひどい。昨季ムニールと共にメッシの離脱の穴を埋めたサンドロは、「態度が良かったから」(ロベルト)という理由で無償での契約解除が許され、マラガと契約した。

 ベティスからレンタルバックしたモントーヤも自動的に戦力外となり、やはり無償でバレンシアへ移籍している。フィオレンティーナから戻ってきたテージョも、テストマッチですらプレー機会を与えられず、早急に移籍先を探すようプレッシャーをかけられている。

 唯一残留できそうなムニールも、ルイス・エンリケが求めるセンターFWを補強した場合はいよいよ飼い殺し状態になりそうだ。それでも本人は「出て行けと言われない限り残る」と健気にアピールしているが、選手として成長を止めたくなければ、コンスタントにプレーできる環境を探すべきだろう。

6歳からバルサ一筋のサンペールがトップ昇格したが。

 こうした状況下、今夏もトップチームに昇格した選手がいる。6歳でバルサのスクールに入団して以降、下部組織の全カテゴリーを経験した末にトップチームに辿り着いた史上初のカンテラーノ、サンペールだ。

「トップチームの選手になる夢が叶った。プレーするのが難しいのは分かっているけど、自信はある。チームの一員となり、自分の価値を証明したい」

 クラブとの契約延長にサインした際、サンペールは希望に胸を膨らませた様子でそう語っていた。しかし、彼は早々に厳しい現実に直面することになる。

 その僅か2日後、クラブがアンドレ・ゴメスの獲得を発表したのだ。

 イニエスタ、ラキティッチ、アルダ、ラフィーニャ、セルジ・ロベルト、そして新加入のデニス・スアレスとアンドレ・ゴメス。これでバルサは2つのインサイドMFに7選手を抱えることになった。明らかに人員過多であり、その影響はサンペールのプレーポジションであるピボーテにも及ぶ。

【次ページ】 結局、サンペールもバレンシア行きが濃厚?

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