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プチ鹿島、7月のスポーツ新聞時評。
都知事選をスポーツ紙で読み解く。 

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プチ鹿島

プチ鹿島Petit Kashima

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photograph byShigeki Yamamoto

posted2016/08/01 12:00

プチ鹿島、7月のスポーツ新聞時評。都知事選をスポーツ紙で読み解く。<Number Web> photograph by Shigeki Yamamoto

リオ五輪の閉会式に、次回開催地の首長として出席予定の小池都知事。もちろん、ビジネスクラスでの渡航となる。

究極の手のひら返しでぽ~んと出た。

7月12日 「鳥越俊太郎氏 完全否定も民進に擁立論」(日刊スポーツ)

 民進党内でジャーナリストの鳥越俊太郎氏の擁立論が浮上していると、11日、日本テレビが報じた。

《鳥越氏はこの日、日刊スポーツの取材に「(出馬は)ないです。うわさでしょ。どこも僕に確認しないで流していて、えらい迷惑している」と苦笑しながら否定した。ただ、野党関係者によると、民進党内の一部では依然、鳥越氏の擁立論がくすぶっており、今日12日にも結論を出す方針だという。》

 そして……。

7月13日 「鳥越氏 究極後出しじゃんけん」「手の平返しでぽ~んと出る!」(日刊スポーツ)

 鳥越氏出馬の経緯を整理すると、

《早い段階から、鳥越氏の擁立に動いていたのは民進党だ。1度は断られ、同党は党本部や東京都連が俳優の石田純一、元官僚の古賀茂明氏をピックアップ。石田は出馬を断念、古賀氏で調整を始めたが、「本命」だった(同党関係者)鳥越氏から出馬の意向が伝わり、古賀氏の出馬を白紙にしてまで鳥越氏擁立に動いた。》

有力候補では、もっとも都知事選に「物語」がある人物。

 その結果、こうなった。

「電撃出馬で大混乱…鳥越氏が野党4党統一候補、宇都宮氏は怒り」(サンケイスポーツ)

《野党に支援を要請している元日弁連会長の弁護士、宇都宮健児氏(69)は出馬取り下げについて「100%ない」と断言。告示2日前になっても、野党の候補者調整はドタバタが続いた。》

 しかし、しかし翌日急転。

「宇都宮氏、都知事選出馬取りやめ 鳥越氏に「頑張ってもらいたい」」(サンケイスポーツ)

《宇都宮氏は出馬の見送りについて「保守が分裂する状況にあり、都政を転換させるチャンス。大局的な観点から撤退を判断した。鳥越氏を支援するかは現時点で決めていないが、頑張ってもらいたい」と述べた。》

 前回、前々回の都知事選では「次点」の宇都宮氏。有力候補のなかではもっとも都知事選に「物語」がある人物にもみえたが、撤退したのであった。

【次ページ】 与党も野党もなんだかなぁの都知事選。

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