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強盗に遭っている人は見捨てろ!?
五輪開催地リオは「最悪」の状況。
posted2016/07/25 07:00
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
AFLO
「ここまでいろいろあるのも、いやありすぎるのは初めてじゃないですか」
さるコーチから聞いた言葉は、すべてを物語っているようでもあった。
それほど、リオデジャネイロ五輪は、数々の問題がクローズアップされ、解決しないまま、開幕を迎えようとしている。
そもそもは、開催準備の遅れが深刻であることが、問題とされていた。
2014年4月、国際オリンピック委員会のジョン・コーツ副会長が準備状況を「これまで経験してきた中で最悪」と評した(CNNによる)。コーツ氏は40年近くにわたり、オリンピックにかかわってきた人でもある。
事実、自転車競技会場の完成が6月の終わりにずれこみ、重要な交通機関となる地下鉄の開通がぎりぎりになる見込みであることなど、準備の遅れは続いている。
衛生面への懸念も浮上した。広く知られることになった「ジカ熱」をはじめ、セーリング会場の水質汚染が問題視されるなどした。また、6月22日には、豚インフルエンザによる今年1月からの死者が1003人となったと発表されたことで、新たな不安が生まれた。
観光客用の医療機関を武装集団が襲撃し、死者が発生。
さらに、治安の面もクローズアップされている。犯罪発生率の高さ、窃盗などではなく強盗など重い犯罪が多いことが指摘されていたが、選手にも被害が出ている。
5月にはリオで合宿を行なっていたスペインのセーリング五輪代表の選手やスタッフ3名が銃を突きつけられてバッグやカメラなどを奪われる強盗被害に遭った。6月にはオーストラリアのパラリンピック・セーリング代表選手とスタッフがやはり銃を突きつけられ自転車を奪われている。いずれも、危ないとされるエリアに足を踏み入れたわけではなかった。
やはり6月には、オリンピックの開催期間中、観光客などのための救急医療機関に指定されている病院が武装集団に襲撃され、患者に死者が出て、看護師らが負傷した事件も起きている。