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強盗に遭っている人は見捨てろ!?
五輪開催地リオは「最悪」の状況。 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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posted2016/07/25 07:00

強盗に遭っている人は見捨てろ!?五輪開催地リオは「最悪」の状況。<Number Web> photograph by AFLO

空港に掲げられた「WELCOME TO HELL」の横断幕。この状況がリオの現状を象徴しているのは間違いない。

北京やソチは力ずくでも抑え込むと言われたが……。

 オリンピックは開催のたびに、治安を含め、いろいろと問題が取り沙汰されることはあった。2008年の北京五輪では、チベット問題から派生する抗議活動などが懸念されたほか、大気汚染も俎上にあがった。2014年のソチ五輪では、開幕を前にテロが相次ぎ、治安部隊と武装集団の銃撃戦が起こるなどした。

 ただ、それらと様相は異なると、ある旅行代理店のスタッフは語る。

「北京やソチも、治安面でクローズアップされはしましたが、正直、実はそこまで深刻に心配になることはなかった。どちらの国も、いざとなったら、力ずくでも問題が起きないように抑え込むだろうと思われていましたから」

JOCが「日本選手団安全管理マニュアル」を配布。

 対するリオ。7月に警察官や消防士が「WELCOME TO HELL」(地獄へようこそ)と記した横断幕をリオの国際空港で掲げ、給料未払いへの抗議活動が行なわれた。その事実からしても、警備すべき側への不安も浮かび上がらざるを得ない。

 こうした状況を受けて、日本オリンピック委員会(JOC)は、各競技団体に「日本選手団安全管理マニュアル」を配布した。防犯対策、強盗に遭遇したときの対処の仕方などが記されたもので、スマートフォン、カメラを公共の場でうかつに使用しない、強盗に遭遇したら急な動作をしない、抵抗しない、他人が襲われているのを見てもむやみに助けようとしない、など細かく説明されている。過去にここまでしたことはないという。

【次ページ】 「今回は親に観に来ないようにお願いしました」

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