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竹下佳江が率いる姫路のプロチーム。
彼女が次に壊すのはどの「常識」か。
posted2016/07/16 08:00
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
Kyodo News
今年、兵庫県姫路市に新たなクラブチーム、「ヴィクトリーナ姫路」が誕生した。その初代監督に就任したのは、4年前のロンドン五輪で銅メダルを獲得した元全日本セッター、竹下佳江だ。
「“監督様”にはなりたくないですね」
目指す監督像を聞くと、竹下監督はニヤッと笑ってこう答えた。
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「監督監督した感じが嫌なんです。もちろん決定権はちゃんと持っておかないといけない。こうしようかなどうしようかなと監督がぶれてしまったら選手が迷ってしまうから。ただ、選手に対して聞く耳を持って、しっかり向き合える、コミュニケーションをとれる監督でいたいなと思います」
それが現役時代、VリーグのNEC、JT、そして全日本で、数多くの指揮官のもと司令塔を務めた竹下監督の導き出した理想像だ。
2013年に引退、2015年に長男を出産。
竹下は、身長159cmと小柄ながら、正確無比なトスとクレバーなゲームメイクで、絶対的な司令塔として長年全日本を支えた。2004年アテネ、'08年北京、'12年ロンドンと3大会連続で五輪に出場。北京五輪では主将を務め、ロンドン五輪では悲願の銅メダルに輝いた。
翌年の'13年、35歳で現役を引退。'15年5月に長男を出産し、子育てをしながらスポーツコメンテーターとして活躍していたが、今年6月、ヴィクトリーナ姫路の監督に就任した。
姫路市は全日本の眞鍋政義監督の故郷ということもあり、全日本合宿や紅白戦が度々行われてきた。竹下は引退後もバレー教室や講演会のゲストなどで姫路を訪れることがあり、そうした縁で2年ほど前から、新しく立ち上がるチームの監督にぜひ、と誘いがあったという。
「最初は、『どうだ?』、『断ります』の繰り返しでした。私は指導者をやるつもりは全然なかったので」