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レース中に12時間におよぶAT交換。
結果以上に、トヨタが手にした成果。
text by
大串信Makoto Ogushi
photograph byTOYOTA
posted2016/07/25 13:00
LEXUS RCのトランスミッション交換は、真夜中から翌日の昼まで12時間ぶっ通しという想像を絶する過酷な作業となった。
レース結果には記されないが、大きな成果を得た。
12時間近くの作業を経てLEXUS RCは再びコースへ復帰した。
作業をやり遂げたメカニックたちは、悔しさと達成感と疲労で泣きじゃくったという。高木はその中に、社内技術者の姿を見つけた。本来ならばベースとなる市販乗用車をレースに投入した場合、後方支援に回り、レースの現場に顔を出さないが、10年目の節目を迎えた今年、社内技術者も、知見を物にするために加わり、現場のメカニックと一緒になって闘い、涙を流したのだった。
「結局、その後リタイアはしたものの、少しでもいいクルマをつくろうとみんなが一丸になれたことが、一番嬉しかったし感動しました。クルマは完走させられなかったけど、人は完走したんだなと思いました」(高木)
今年のニュルブルクリンク24時間レースで、TOYOTA GAZOO Racingは、レース結果には記されない部分で、確実にクルマを鍛え、人を鍛えるという成果を残したのである。
▼『TOYOTA GAZOO Racing』
http://toyotagazooracing.com/
▼ニュルブルクリンク24時間レース
http://toyotagazooracing.com/jp/nurburgring/
▼ニュルブルクリンクへの挑戦 2016
http://gazooracing.com/pages/special/challenge/nurburgring/2016/