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偉大なる室伏広治、ついに現役引退。
日本の陸上界に残した、2つの功績。
 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

PROFILE

photograph byYUTAKA/AFLO SPORT

posted2016/06/28 11:30

偉大なる室伏広治、ついに現役引退。日本の陸上界に残した、2つの功績。<Number Web> photograph by YUTAKA/AFLO SPORT

室伏広治、現役最後の投擲。東京医科歯科大学教授、日本陸上競技連盟理事、日本オリンピック委員会の理事なども務めあげる41歳の鉄人。

ドーピング禍の'80年代を除き、'90年以降で2位の記録。

 ハンマー投げに限らず、陸上は'80年代、ドーピングが盛んに行なわれていたと言われている。

 ハンマー投げでも上位の記録の多くは'80年代に出されているが、仮に1990年以降に限定したリストを作ると、室伏の自己記録は2位に位置する。ちなみに1990年以降の1位のワディム・デフヤトフスキーも、2度ドーピング違反を犯した選手だ。

 自ら築いた理論、それに基づくたゆまぬトレーニングで世界のトップに立ち、しかも異例と言えるほど、長期間にわたり、第一線にいた。

 室伏は、日本でも、世界でも、他の追随を許さないアスリートであった。鉄人であり、巨人であった。

 今後は、立場を変えて、スポーツ界とかかわっていくことになる。その圧倒的な探究心と向上心、実践力は、どこにいても、光を放つはずだ。

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