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常勝鹿島を取り戻した強化部長の喝。
1stステージ優勝で感じた懐かしさ。 

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松本宣昭

松本宣昭Yoshiaki Matsumoto

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photograph byJ.LEAGUE PHOTOS

posted2016/06/27 11:45

常勝鹿島を取り戻した強化部長の喝。1stステージ優勝で感じた懐かしさ。<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

27分、柴崎岳が蹴ったCKに山本脩斗がヘディングで合わせ、先制点を決めた。練習の成果が出たセットプレーだった。

3連覇の頃を思い出す、懐かしい景色。

 こうなれば、勝ち方を知り尽くす彼らの得意な展開である。その後はピッチを幅広く使って福岡の守備ブロックを横に広げ、相手サイドバックとセンターバックの間に次々と選手が走り込んでいく。37分には金崎夢生の折り返しを土居聖真が押し込んで2-0。後半は高い守備意識を保ったまま冷静にボールを保持し続け、試合を終わらせた。

「ここ数試合もそうだし、今日も良い内容じゃなかった。でも、鹿島というチームはそういう中でも、みんなでピッチの中で話をして、勝機を見出して、勝つための術を持っている。でも、理想を言えばもっと内容を良くして、セカンドステージも、チャンピオンシップも勝ち続けたい。まだファーストステージを獲っただけで、本当の意味でのタイトルとは言えないし、Jリーグで優勝したときの喜びというのは、こんなもんじゃないから」

 これは試合後に小笠原満男が語った言葉である。流れが悪くても勝利に結びつけるゲーム運び、それを3万人を超えるサポーターが後押しするスタジアムの雰囲気、トロフィーを掲げた直後なのに先を見据える選手たちの言葉。どれもこれも、'07~'09年のリーグ3連覇の頃の鹿島の景色に似ていて、とても懐かしかった。

 取材対応も終わり、スタジアムの駐車場へと向かう鈴木強化部長に声をかけた。

 今日の試合展開と雰囲気、なんか懐かしくなかったですか?

「うん。懐かしかったね。中学生、高校生みたいだったチームが、ようやく勝ち方を覚えてきて、大学生ぐらいにはなったかな。これから先、もっと強くなるよ」

 2カ月半前と違って、強化部長の柔らかな笑顔も3連覇の頃みたいだ。
 

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