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「きょうはトシのパスで決める」佐藤寿人が熱く語る最高の相棒・青山敏弘との“伝説のゴール”…「トシのボールにはメッセージがあるんです」

posted2024/12/28 17:03

 
「きょうはトシのパスで決める」佐藤寿人が熱く語る最高の相棒・青山敏弘との“伝説のゴール”…「トシのボールにはメッセージがあるんです」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

2024年12月1日、ホームのコンサドーレ札幌戦後の引退セレモニー。佐藤寿人らが登場し、青山は熱い涙を流した

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二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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Takuya Sugiyama

稀代の名パッサー、青山敏弘。2024年限りで引退を決めた彼に、Number1111号では特別インタビューを行った。そこで青山が回想した「最高のパス」。今度は、その受け手だった佐藤寿人に、青山への思いを聞いた——。〈NumberWebインタビュー全2回の1回目/つづきはこちら

 これ以上ないパスと、これ以上ないシュート。

 パッサーとストライカーどちらかが一瞬でもタイミングが遅れたら、一瞬でもお互いを感じ取れなかったら、きっと成立しなかった伝説のゴールがある。

青山敏弘の「自分を超えていったパス」

 サンフレッチェ広島、21年間ひと筋の“ワンクラブマン”青山敏弘が2024年シーズン限りで引退するにあたり、インタビューを実施した。そのなかで「自分を超えていったパス」と表現したのが、2012年11月7日、ホームでの北海道コンサドーレ札幌戦でエースの佐藤寿人に届けたロングパス。

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 ワンタッチで決めた佐藤にとっても4歳年下の青山とのホットラインで「一番強く印象に残っているシーン」だと言う。彼の目線で振り返ってもらった。

佐藤寿人は「きょうはトシのパスで決める」と言った

 就任1年目の森保一監督率いるサンフレッチェはリーグ初優勝の重圧にさらされていた。首位を走りながら10月に入って2分け1敗と足踏みし、勝ち点も2位ベガルタ仙台に並ばれた。ホームの広島ビッグアーチに戻り、前半17分に佐藤が奪ったPKを森﨑浩司が決めて先制しながらも、全体的に動きの硬さが取れたわけではなかった。

 試合前、ここ3試合ゴールのない佐藤は青山に「きょうはトシのパスからゴールを決めるから」と伝えていたという。

 何か予感があったということではなかった。

「決めたい、っていうゴールに対する欲ですよね。そんなこと大事なときにしか言わないです。直接は言わなくても、要は“いつも以上にトライしてくれよ”ってこと。トシからは『そんな簡単にはいかないでしょう』と返されましたけど、すんごいパスが来たんですよ」

【次ページ】 針の穴を通すパス

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