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日本ゴルフ界の衰えない年長者たち。
谷口徹が若手に「5歳、オレにくれ」! 

text by

桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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photograph byAFLO

posted2016/06/26 11:00

日本ゴルフ界の衰えない年長者たち。谷口徹が若手に「5歳、オレにくれ」!<Number Web> photograph by AFLO

谷口徹はあと2年でシニアツアーに出られる50歳。しかし日本の多くの20代たちは、まだ彼を越えられていない。

日本にいると、世界のトップレベルを忘れる?

 年下の選手から受ける刺激。日本にいても、むしろ外国人からそれを感じるという。

「日本ツアーに来て3年、4年という韓国の選手も増えてきた。客観的に見て、日本人に若くて良い選手は少ない気がする。韓国の選手のほうが……ガッツがあるように見えてしまう」

 谷原は宮里とともに初挑戦の全米オープンで決勝ラウンドを戦ったが、満足する様子は感じられなかった。11年前、米ツアーに参戦した経験がある。当時と比べて「昔よりもみんなショットが曲がらない」と周囲のレベルアップをまた肌で感じ取った。

「上の選手を見ないと、(トップのレベルを)忘れちゃう。日本にいると、それが難しい。ちょこちょこ海外に来ないといけないと思う。来たら『いまはこういう感じでやっているのか……』と勉強できる」

 今回は変則スケジュールの合間に、ドライビングレンジで過ごす時間も多かった。国内の後輩選手たちの振る舞いが、ふと頭に浮かぶ。

「日本とは練習場の様子も全然違う。(日本では)最近の若い子は……球を(多く)打たない。『コイツ、すげえな』ってやつがいない。フツーに練習して、フツーに帰っちゃう」

 自らの未熟さも踏まえて説くのは、ベースとなる練習量の重要性だ。「技術=メンタルだと思う。技術が伴えば自信になるし、技術が上がればメンタルも良くなる。メンタルだけ鍛えても、技術がなければ意味がない」

若手が持て余す時間を「オレにくれ」。

 谷口は1年半後には、シニアツアー参戦となる50歳になるが「長くレギュラーツアーでやりたい。そのためにトレーニングもやっている」と老け込む様子はない。

「若い子に比べたら回復力が違う。新品のゴムと、劣化したゴムくらい僕らは違う。(若手に)『よこせよ。5歳、オレにくれ』って言うんですよ。みんなから5歳ずつもらったら20歳くらいに若返るのに(笑)」

 持て余すくらいの時間なら、無駄にできるような時間なら、オレにくれ――。決して叶わぬ心の叫びである。

「こういう世界は結果を出さないと仕方がない。『来た甲斐があった』なんていうのは、意味がない。ゴルフに対してもっと頑張らないといけないと思った」と谷口は言った。今回出場した日本人選手はみな「出るだけ」で満足する選手たちではなかった。

 ベテランが厳しい目を向ける最近のワカモノには、まず彼らを超える気概はあるだろうか。年長者の衰えを待つだけの世代交代に、明るい未来は期待できない。

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