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ヴィクトリアマイルは騎手で買う!?
となれば、外せないのはやはり……。
posted2016/05/14 08:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
第11回ヴィクトリアマイル(5月15日、東京芝1600m、4歳以上牝馬GI)には、レース史上最多となる7頭ものGI馬が参戦する。ハイレベルな闘いを制し、古馬のマイル女王となるのはどの馬か。
実績や成長度、距離・コース適性などを総合的に見て、もっとも戴冠に近いところにいるのはミッキークイーン(4歳、父ディープインパクト、栗東・池江泰寿厩舎)か。
昨年、オークスと秋華賞の牝馬二冠を制覇。ジャパンカップは8着だったが、道中他馬にぶつけられる不利がありながら、勝ち馬にコンマ3秒しか離されなかったのだから立派だ。
年明け初戦の阪神牝馬ステークスでは、馬ごみをさばくのに苦労して2着。敗れたとはいえ、昨年のクイーンカップ以来1年2カ月ぶりとなったマイル戦の流れを経験できただけでも、試走としては充分意味があったと言えよう。
2月の東京新聞杯で落馬・骨折した主戦の浜中俊が、今週から復帰する。土曜日は、東京新聞杯で乗っていたダッシングブレイズで臨む京王杯スプリングカップ、日曜日はこのレースと1日1鞍の騎乗に絞り、勝負をかけてくる。
主戦の復帰をGI勝利で祝うことになるか、それとも……。
これまで9戦4勝2着4回と安定感は抜群だし、休み明けを使われたことで、状態は確実によくなっている。しかし、いつまた出遅れ癖が顔を覗かせるかわからないし、瞬発力で勝負するタイプなので、勝つときはチョイ勝ちが多く、そのぶんとりこぼす可能性も大きくなる。
確実に上位には来そうだが、差し届かなかったり、前が塞がって脚を余してしまうシーンなども考えられなくはない。
「一番強い」のは充実期のショウナンパンドラ。
そして単純に、どれが一番強いかと言えば、昨年のジャパンカップを勝ったショウナンパンドラ(5歳、父ディープインパクト、栗東・高野友和厩舎)だろう。
年明け初戦の大阪杯は3着だったが、先行馬に有利な展開で、アンビシャスとキタサンブラックをつかまえ切れなかった。とはいえ、1、2着はトップクラスの牡馬だし、休み明けで56キロを背負いながら、ラブリーデイやイスラボニータ、ヌーヴォレコルトなどに先着したのだから、今も充実期のど真ん中にいることは間違いない。
鞍上の池添謙一は、この春、桜花賞、天皇賞・春、そしてNHKマイルカップと3つのGIで2着に惜敗している。ここを勝てば、武豊と蛯名正義につづく史上3人目の牝馬限定GI完全制覇となるだけに、期するものがあるだろう。