プロ野球亭日乗BACK NUMBER
ホームを跨いでいたら全部セーフ!?
コリジョンルールの運用法を考える。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2016/05/13 10:30
初のルール適用でセーフになったが「タイミングは完全にアウト」と淺間は自分の判断を反省していた。
今のルールでは、野球の魅力が削がれる。
加えてこの2つのケースとも、明らかにタイミング的には完全なアウトであるということだ。
本塁上のクロスプレーは、野球の大きな醍醐味である。シングルヒットで二塁から猛然とホームに突っ込む走者とそれを阻止しようとする矢のような返球。2つが交差して瞬間的にアウトかセーフかにファンが固唾を呑む。走者を止めるためのブロックは捕手の技術であり、そのブロックをかい潜って滑り込むスライディング技術もプロの技の見せどころでもあった。
もちろん不要なケガの防止のためにも、悪質なタックル禁止、走者が滑り込む余地のないほどホームプレートに覆いかぶさるブロックの禁止は当たり前だが、やはり今のコリジョンルールは、野球の魅力を大きく削ぐ結果になっている。
立法の精神に沿う形でどうコリジョンルールを運用していくのか。即刻というのがムリならば、せめてこのオフには改めて検討することが必要である。