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森重真人はなぜ連戦を乗り切れるか。
疲れを「頭で負かしちゃう」方法論。
posted2016/05/03 10:00
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph by
J.LEAGUE PHOTOS
森重真人は、タフである。
今季の公式戦は2月9日のACLプレーオフ、チョンブリ戦から始まり、Jリーグ、ACL、そして日本代表でもロシアW杯アジア2次予選アフガニスタン戦、シリア戦は2試合とも先発フル出場と、まさに「フル回転」してきた。
2月半ばから3月末まで何と約40日間、オフなしだったという。3月上旬の候補合宿に、下旬の2次予選と日本代表のスケジュールが組みこまれたこともあって、オフがまったく取れなかったようである。
世間一般的に仕事で「40連勤」となると、かなりつらいはず。参考までに、サラリーマンをしている40代なかばの友人に「もし40連勤したらどうなると思う?」と尋ねたら「多分気が張っているから乗り切れるだろうけど、その後何かしらの影響は出てくるだろうね。疲れやすくなるんじゃない?」と、想像するのも嫌と言わんばかりにしかめっ面をつくった。
一般の仕事と比較するつもりはないが、オフが嬉しくないなんていう人はほとんどいない。サッカー選手だってきっと同じである。
森重「頭の準備をしておけば大丈夫」
森重にも、サラリーマンの友人が懸念するような「その後の影響」が出やしないか注意深く見ていたのだが、どうも杞憂に終わったようだ。
FC東京はチームの調子が上がっていかないものの、森重自体は疲労を感じさせるどころか、力があり余っているような印象を受ける。
疲れを知らないその秘訣は一体、何なのか――。
ゴールデンウィークの連戦に突入する前、彼に聞いてみた。
「連戦になるとどうしても痛いところは出てくるんですけど、頭のほうの準備をしっかりとしておくことで大丈夫になるというか。体が疲れるのは仕方ないし、変えられないこと。だから頭の部分で変えていくという感じなんです」