サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
17歳MFと18歳FWの凸凹2トップ誕生。
U-19の「最後の切り札」は本物か。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byAFLO
posted2016/05/04 09:00
宇佐美貴史のクラブ記録を塗り替える16歳11カ月18日でJ1デビューを果たした堂安律。早熟な才能はどんな花を咲かせるのか。
前半45分で交代し、ベンチで意見の擦り合わせ。
磐田との試合は序盤、磐田の寄せの早さと球際の厳しさにU-19が戸惑い、ミスを連発。しかもパスのテンポが悪く、ほとんどボールを前に運ぶことができなかった。しかしその早さと強さに慣れてくると、徐々に右サイドバックの藤谷壮の突破からチャンスを作れるようになる。だが、機能したのはサイドバックが絡んだ攻撃だけで、中盤はボールを回すものの横パスが多く、小川に当てたり、堂安への縦パスがほとんど出てこない。
堂安はボールを引き出そうとサイドに張ったり、少し下がってボールを受けようとするがなかなか受けられず、やや動き過ぎたせいもあり小川との距離が離れ、2人で崩す場面はほとんどなかった。
2人の見せ場は、CKから小川が放った決定的なヘディングシュートと終了間際に堂安がこぼれ球を拾って放った1本のシュートだけ。小川はGKの好セーブに阻まれ、堂安のシュートは浮いてしまった。
結局、2人のプレーは前半45分で終了。後半は2人並んでベンチに座り、「どこにどう動いたらいいのか」というお互いの考えを試合を見ながら擦り合わせていたという。
小川「連携面が高まれば2人で崩せる自信がある」
小川は、「これからですね」と言いながらも堂安との2トップには可能性は感じてるようだ。
「堂安はFWの経験がないし、トップ下の感覚でプレーしているけど、今はそれでもいいと思います。お互いやろうとしていることは理解しているけど、まだ精度が足りないし、プレーがズレたりしている。僕らの距離が少し離れていたので、もうちょっと距離を近くしてフリックとかを使えるようにしていけたら、もっと連携面を高められると思う。
そうなれば2人で崩せる自信がありますし、コンビネーションを高めて2人でやれるところを見せられたら自分たちに相手が食い付いてきて今度は周囲をうまく使ってプレーができるようになる。そうしたら攻撃の幅が広がるし、10月の大会はおもしろくなりますね」
小川は、もともとサッカーIQが高い選手。試合後に限らず、試合中にも修正していければ2人の相互理解はより早くなる。その前に「リーグ戦で試合に出ないと」と自らの課題を自覚していたが、磐田はFWにケガ人が出ており、チャンスがきそうな気配だ。