サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
17歳MFと18歳FWの凸凹2トップ誕生。
U-19の「最後の切り札」は本物か。
posted2016/05/04 09:00
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
AFLO
おもしろい2トップが実現した。
U-19日本代表は静岡で3日間の合宿を行い、最終日にジュビロ磐田と練習試合を行なった。1-0で敗れ、結果は出なかったが今後に可能性を感じさせてくれたのが、堂安律(ガ大阪)と小川航基(磐田)の2トップである。
ことの発端は合宿直前、J3リーグ第6節(4/23)、ガンバ大阪U-23が大分トリニータに2-2で引き分けた試合だった。この時、堂安が2得点を挙げたのだ。ゴール前での冷静なプレーと得点力の高さを改めて感じた内山篤監督は、この静岡合宿で堂安をFWとして起用することを決めた。
堂安はU-19代表ではボランチから始まり、この前まではサイドハーフとして起用されていた。FWは点を取るという特殊なセンスが試合で磨かれて成長していくが、今回招集されたFW陣では森晃太(甲府)はJ1で少し試合に出ているが得点がなく、小川も垣田裕輝(鹿島)もリーグ戦では試合に出場できていない。J3が舞台とはいえ、唯一結果を出している堂安のFW起用は、最もゴールを奪う可能性の高い選択肢だったのだ。
堂安「前ってボールに触れる機会が少ない」
内山監督の期待は大きいが、FWに指名された堂安は少し戸惑い気味だった。
「ガンバではトップ下で宇佐美くんのように自由にやって、最後の決定的なところにしっかり絡むようにと言われてますが、楽しくやれているし、だから結果もついてきたと思うんです。
代表ではサイドハーフでしたけど、今回FWですからね。前ってボールに触れる機会が少ないじゃないですか。個人的にはたくさんボールに触りたいんで、監督に『自分は下におりてこない方がいいんですか』って聞いたんです。そうしたら『ボランチが上がった時のスペースに下りるとか、そういう連動して下りてくるのはいいけどボールに触れたいから下がるというのはダメやな。ゴール前の決定的なところで力を発揮してほしい』って言われました。前で我慢せなあかんと思いますし、簡単ではないけど小川くんとはもちろん、ボランチとも話をしながらやっていきたいと思います」
堂安は、ボールに触れながらリズムを作り、仲間を使いつつ足元で受けてフィニッシュを決めるタイプ。小川はDFの裏やスペースをうまく使うタイプでポストプレーもうまい。プレースタイルは全く異なる2人のコンビが誕生した。