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ボルトを生んだジャマイカ最大の
陸上の祭典「チャンプス」に潜入。
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph byPUMA
posted2016/04/25 11:00
北京五輪100m決勝を勝った時には、金色に輝く自身のシューズを指差すポーズをとったボルト。新しいシューズで再びの金メダルを狙う!
ボルトのシューズ担当者は日本人だった!?
なんとこの靴の開発者は日本人だという。
普段はボストンで働いているランニング&トレーニングフットウェア責任者の萩尾孝平氏が、その人だ。チャンプスの会場にも訪れていた彼は、周囲を見渡してこう言った。
「僕自身、チャンプスを訪れたのは初めてです。自分の作った靴を履いている子達がたくさんいるのは嬉しいですね」
実は、彼は新商品の開発だけでなく、ボルトの靴の作製責任者でもある。今回のボルトの引退をにおわせる発言に対し、いったい何を感じたのか。
「この後のレースで彼が負けて引退するところは正直、見たくないですね。あれだけの衝撃を世界中に走らせた選手なので、彼は世界一のまま引退してほしい。ただ、彼を破るようなすごい新記録を出す選手が現れたとしたら、それはそれで世間の人達の興味を集めることになるわけで。私達に新たなチャレンジをもたらしてくれるという意味では、すごくいいことだと思います。事実、次のボルト選手になるようなアスリートを、私達がどうやってサポートしていくかという新たなプロジェクトは、すでに始まっていますから」
チャンプスの会場に集まった観客たちも、新たなレコードの生まれる瞬間を見ようと、期待に胸を躍らせていた。
世界で最も陸上を愛するジャマイカの人々こそが、次のボルトの誕生を心から待ち望んでいる。