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ボルトを生んだジャマイカ最大の
陸上の祭典「チャンプス」に潜入。 

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photograph byPUMA

posted2016/04/25 11:00

ボルトを生んだジャマイカ最大の陸上の祭典「チャンプス」に潜入。<Number Web> photograph by PUMA

北京五輪100m決勝を勝った時には、金色に輝く自身のシューズを指差すポーズをとったボルト。新しいシューズで再びの金メダルを狙う!

ジャマイカの若き才能が集結する大会“チャンプス”。

 GUCCIのサングラスにPUMAの「Faster」と書かれた黄緑色のTシャツ姿でカッコ良くきめたボルト。彼を取材するために世界中から集まっていた大勢の報道陣の前で、彼はこう問いかけていた。

「今まさにジャマイカで行われている“チャンプス”には行ったのかい? もしチャンスがあれば行ってみるといい。その大会を観れば、ジャマイカが才能あるアスリートたちを多く輩出し続けてこられた理由がわかるだろう。この大会にはジャマイカ中から若いアスリートが集まってくる。みなこの大会に向けてハードな練習を積み、会場で全力を出して競い合うんだ」

 “チャンプス”とは、ジャマイカで毎年開催されている正式名称「ISSA Boys and Girls Athletic Championships」というU-19の学校対抗の陸上競技大会だ。ボルトも過去にこの大会の400mで新記録を出して優勝した経験がある。

 大会自体は毎年3月に5日間、首都キングストンにあるナショナル・スタジアムで行われる。

 会場には、それぞれ出場高校のカラーを身にまとった5万人もの観客が詰めかける。やたらと派手な緑、青、紫色が多い――なんでも強豪校のカラーなのだそう。それ以外にもド派手な原色のTシャツを着たジャマイカ人たちが、ブブゼラを片手にぞくぞくとスタジアムに足を踏みいれて行く。

子供たちが驚異的なタイムを連発する“チャンプス”。

 14歳の男の子が100mを10秒90で走り、16歳の女の子が200mを24秒07で走る。選手同士が競いあえばあうほど、観客たちは興奮し立ち上がってブブゼラを鳴らす。

 トラック上の彼らはほとんどみな一流スポーツメーカーのシューズを履いていた。その中でも特に履いている選手が多く、特に目立ったメーカーはPUMAだった。

 PUMAは2002年から毎年数百足のランニングシューズとスパイクを契約している高校に配布しているのだという。強豪校の選手たちがみな履いていたのは黄緑色のランニングシューズ。これはPUMAの新商品で、「ディスクシステム」というシューズ内部のワイヤーがダイヤルによって締まるシューレス(紐無し)のシューズだ。このモデル自体は25年前に発表されたものだったが、満を持して今年リニューアルされたのだという。

【次ページ】 ボルトのシューズ担当者は日本人だった!?

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