スポーツ・インサイドアウトBACK NUMBER
イチローと過去の40代選手。
3000本安打達成の可能性は!?
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph byGetty Images
posted2016/03/26 11:00
昨季は日米通算2000得点を達成。王貞治氏が持つ日本記録5290出塁も越えた。今年は更なる大記録に手を伸ばす。
「魔術師」イチローに不可能とは思えない。
ただ、'15年のイチローは、試合数の多さが示すとおり、出なくてもよい場面での出場が多すぎた。新監督のドン・マッティングリーは、記者会見で「イチローになるべく体力を消耗させたくない」と述べている。これが本音ならば、守備固めや代走での起用(イチローは不平をこぼさなかったが、かなり疲れたはずだ)が減らされ、打席に立つ機会がもう少し増えるかもしれない。理想のボトムラインは250打数だが、これならば打率=2割6分で65安打に到達する。
もちろん、マッティングリーが付け加えているとおり「チームの勝利が最優先事項」である以上、イチローの個人記録が特別扱いされることはありえない。となると、カギはやはりイチロー個人の打撃術だ。仮に2割8分近い打率を残せるとしたら、必要な打数は240前後ですむ。ちなみに、43歳のビスケルは、344打数95安打の記録を残し、46歳のフランコは、233打数64安打の記録を残している。彼らに可能だったことが「魔術師」イチローに不可能とは思えない。体力の衰えを最小限に食い止め、イチロー本人が常々いうとおり「少なくとも50歳まで」プレーしてもらいたいものだ。