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サッカー五輪代表のサイドにこの男を!
新潟・小泉慶の“アグレッシブ人生”。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2016/03/19 10:00
新潟ではルーキーイヤーからコンスタントに試合で起用されていた小泉。父親は元競輪選手でS級1班で活躍したトップアスリートでもある。
信念は常に「アグレッシブであること」。
「ボランチとサイドバックは守備が全く違う。でも、戸惑わなかった。それはどちらにも共通している事が『アグレッシブであること』だったから。守備でも攻撃でも常に狙って、アグレッシブに行く。アグレッシブさ――それは自分にとっての大きな武器だし、僕のスタイルなんです」
ルーキーイヤーはボランチとして出場する事が多かったが、昨年はボランチに加え、右サイドバックでの起用も多くなって来た。
悪い見方をすれば、チーム事情に左右されてポジションが固まらない状況だったが、彼はすべてに“アグレッシブであること”を信念臨み、変わらぬ姿勢を貫いている。
「監督が僕のことをサイドバックで起用しているなら、サイドバックらしいプレーをしないといけない。もちろん本職ではないけど、試合に出ている事に感謝だし、質の高いプレーをしないといけない。戦うだけ」
「怖さのあるサイドバックにならないといけない」
がむしゃらに与えられたポジションをこなして来た小泉だったが、今、ある大きな変化が芽生えつつある。
「僕は怖さのあるサイドバックにならないといけないんです。DFラインの中で、気持ちとか球際で引っ張る存在は自分だと思っている。年齢に関係なく、自分が先頭に立って行かないといけないと思っている。僕の中では、試合をこなす度に良くなっている印象がある。まだまだ課題はまだ多いけど、徐々にサイドバックというポジションをつかんで来ている感じはある」
サイドバックとしての自分に手応えを感じている日々。それは自ずと、「ある目標」に繋がって行く。
「……正直狙っている。いや、狙わないといけない」
その話に触れると、語気はさらに強まった。
今年、8月に開催されるリオ五輪だ。