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バンディエラの引き際はいつも困難?
トッティが“ローマ王”から追放。 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2016/03/10 10:30

バンディエラの引き際はいつも困難?トッティが“ローマ王”から追放。<Number Web> photograph by AFLO

招集外となり、スタンドからパレルモ戦を観戦したトッティ。こんな風に視線を集めるのが彼の望みであるはずがない。

トッティ派とスパレッティ派が熾烈な論争に。

 首都に本社を置く『コリエレ・デッロ・スポルト』紙は、試合翌日の1面見出しを「(トッティの招集外処分は)歴史への冒涜」、「主将の在籍24年で最も悲しい日」とし、試合の結果そっちのけで巻頭からトッティ擁護の論陣を張った。

 今も愛弟子トッティを溺愛するOB監督マッツォーネは「トッティのイメージはズタズタだ。スパレッティは自分がしでかしたことについて釈明と謝罪をするべきだ!」と援護の先頭に立ち、かつてスクデットを獲った盟友モンテッラ(サンプドリア監督)も「うちに来れば、トッティが望む敬意ある扱いを保証しよう」と入団を誘う素振りも見せた。

 一方で、イタリア協会の殿堂入りを果たしたばかりの元FWビアリ(現SKY解説者)は「もし私がトッティだったら1年前の時点で引退している」と往生際の悪さを指摘し、仇敵ラツィオの元主将ディカーニオに至っては「トッティはグラウンドが年々広くなっていることに気づいてるはずだ。そして、ヤツ自身のことをクラブが厄介者だと思い始めていることにもな」と刺々しい言葉を吐いた。

『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙のアンケートでは、スパレッティが下した決断への支持がほぼ6割に達した。ただし、レジェンド・プレーヤーであるトッティ擁護の声も依然として根強い。

10年前、トッティはスパレッティ戦術の中心だった。

 今季開幕後、トッティは39歳になった。

 昨秋から肉離れで3カ月も戦列を離れるなど、フィジカルコンディションの衰えは隠せない。

 それでも、今年1月に前監督ガルシアが解任され、元監督スパレッティの招聘が明らかになったとき、ローマの主将は自分がここまで冷遇されるはずがないと高をくくっていたのではないか。

 '05年から足かけ5年に渡ったスパレッティの第1次政権で、トッティは通算150試合に重用され、91ゴールを挙げる活躍を見せた。当時スパレッティが考案した「0トップ・システム」の肝となったのがキャリアハイの時期にあったトッティで、2人は蜜月を過ごしたといっていい。

【次ページ】 「思うようにすればいい。ただし、優遇はしない」

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