詳説日本野球研究BACK NUMBER
新監督の色は、若手の抜擢に出る。
各球団で重用されそうな選手を探せ。
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byKiichi Matsumoto
posted2016/03/06 10:40
就任1年目から、世代交代という難しい局面に直面する巨人の高橋由伸監督。
ナバーロの不在で平沢大河にチャンスが来る?
巨人ならむしろ、高校卒2年目の岡本和真の三塁奪取のほうが現実味はある。昨年は8月28日の中日戦で一軍デビューを果たすと、3試合目のDeNA戦で左腕・砂田毅樹から初球スライダーをレフトスタンドに叩き込んでいる。オフシーズンには台湾で行なわれたウインターリーグに参加し、打率.388、本塁打3、打点20を挙げ、打点王に輝いている。抜擢に応えられる材料は揃っている。
パ・リーグではロッテのドラフト1位、平沢大河(遊撃手・仙台育英)が新外国人ナバーロ(内野手)の銃弾不法所持というアクシデントがあり、早い時期から一軍で起用される可能性が出てきた。高校卒といっても技術的には走攻守が高レベルにあるので、抜擢を躊躇しない伊東監督なら開幕から一軍メンバーに入っても不思議でない。
楽天では昨年後半に起用されることが多かった高校卒5年目の北川倫太郎が、抜擢の機会を窺っている。その持ち味は楽天に最も足りない長打力。梨田新監督は日本ハム監督2年目の'09年に糸井嘉男(現オリックス)をブレイクさせているので、野手の素質を見極める眼力には信頼が置ける。ライバルはメジャー通算162本塁打を記録している新外国人、ゴームズか。