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宮原知子、宇野昌磨らが頂点狙う!
四大陸選手権は日本勢が席巻か?
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAsami Enomoto
posted2016/02/18 10:50
シャイな性格を克服して、大会ごとに演技力を増しつつある宮原。
チャンのキーとなるのは2つ目の3アクセル。
チャンは、昨年12月のGPファイナルではSPの失敗が響いて総合4位に終わるも、1月のカナダ選手権ではSP、フリーとほぼノーミスの演技を久しぶりに見せた。
1年競技から休んでいた彼は、まだまだ心身とも試合モードに戻り切っていないという。そんな彼にとって、カナダ選手権でミスなく2つの演技を揃えたことは、大きな自信になったことだろう。
フリーではこれまでの4回転トウループ2度、3アクセル1度の構成から、3アクセルも2度入れる構成に変更すると宣言した。だがカナダ選手権では結局この2度目の3アクセルが入らなかった。この大会は、世界選手権前の最後のチャンスである。世界選手権で表彰台を狙うのなら、ここで2つ目の3アクセルを入れておくことは必須だろう。
2014年にこの大会のタイトルを取った無良崇人も、ここで再び表彰台に返り咲くことを願っているだろう。SP、フリーとノーミスでまとめることができれば、もちろん彼にもメダルのチャンスがある。
他にはフリーでは4度の4回転を入れてくる、中国の天才ジャンパー、ボーヤン・ジン、スケートアメリカで優勝した米国のマックス・アーロン、ロス・マイナーらもメダル候補である。今シーズン、技術的にも安定して良い演技を見せている田中刑事にも期待したい。
実力的にはメダルを独占できる日本女子。
女子では、宮原知子、本郷理華、村上佳菜子の3人が表彰台を独占してもおかしくない顔ぶれなのだが、北米勢がそうやすやすと日本にばかりメダルを渡してはくれないだろう。
今シーズン、ずっと安定した演技を見せてGPファイナルでも2位となった宮原は、この大会でも過去2年連続して2位。今度こそ、表彰台の一番高いところをと強い闘志を持って挑んでくるに違いない。
GPファイナル進出を惜しいところで逃した本郷理華は、鈴木明子に振付を依頼したプログラムで今シーズン表現の幅を広げ、イメージチェンジを遂げた。だがシーズン前半はまだそれが、必ずしも直接結果につながってきていなかった。全日本から今までの間にそろそろプログラムも滑り込んで、本領を発揮してくるのではないかと予想する。
全日本選手権で6位に終わった村上にとっても、今シーズンは新たな自己改革に挑戦した年である。上半身の強化に取り組んでいるという村上は、体の動きにコアの強さが以前にも増して感じられるようになってきた。だがジャンプの安定など、全体を調整してまとめていくのに少し時間を必要としている。この大会をシーズン集大成として、良い滑りを見せてくれることを期待したい。