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セレッソに復帰した丸岡満の苦悩。
「日本とドイツはサッカーが違う」 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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posted2016/02/18 10:40

セレッソに復帰した丸岡満の苦悩。「日本とドイツはサッカーが違う」<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

昨年はドルトムントの一員として来日。今年は古巣セレッソをJ1に押し上げるのが丸岡の使命だ。

大熊監督「体重が2kgぐらい増えたらかなり違う」

 練習試合で、もちろん丸岡は必死にプレーしている。だが、サイドに置かれると関口や杉本、ブルーノらとは守備の厳しさ、攻撃のクオリティや連携の部分で少し差が出てしまう。トップ下にはゲームメイクが秀逸な玉田、そして柿谷もいる。ボランチは扇原貴宏、橋本英郎に加え、新加入の山村和也、ソウザがおり、壁は相当に高い。

 大熊監督はいう。

「丸岡は徐々にチームにフィットしてきているけど、まだ強さが足りない。センスと運動量は間違いないけど、清武(弘嗣)みたいにシビアな所に入っていく時のグッという我慢する力やもぐりこめる強さがない。たとえばブルーノは背が低いけど、厚みがあるので球際の強さとか突破力がすごい。丸岡も体幹をつけつつ、体重が2kgぐらい増えたらプレーはかなり違ってくるはず。U-23があるから、そこで実戦経験を積ませてという感じで今は考えています」

「試合に出ないと何のために帰ってきたのか」

 タレントはあるが、プレイヤーとしてセレッソで戦うための力がまだ足りない。だが、求められるものがあるということは、期待の表れでもある。それは、清武や柿谷が付けていた出世番号である“13番”を与えられたことからもうかがえる。

「今は練習試合で結果を出して、必死に食らい付いていく。試合だけじゃなく、練習から要求して選手の特徴を理解して、自分のことも理解してもらうようにやっていかないといけないですし、課題の守備の意識と質を高めていく。簡単じゃないですけど、試合に出ないと何のために帰ってきたのかということになるので」

 試合に出るには、少し時間が必要かもしれない。ドルトムントに在籍していたとはいえ、トップでの試合経験はほとんどないので、実戦での経験を積む必要があるからだ。その過程で、いつドルトムントの殻を破ることができるか。世界最高のチームにいたというプライドを脱ぎ捨て、セレッソでの原点に戻った時、その才能が開花するはずだ。

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