サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
山本昌邦が語るリオ五輪とA代表。
「U-23はドルトムントに似ている」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byTakuya Sugiyama
posted2016/02/12 11:00
「大会前の評価が低いほど結果がいい」という法則が、リオ五輪本大会では逆向きに働くことになる。手倉森ジャパンはそれを打ち破れるか。
五輪は育成世代、A代表に繋がらないと意味がない。
――チーム編成で気になるのは、オーバーエイジ枠である。前回のロンドン五輪では吉田麻也と徳永悠平が選ばれ、見事にフィットし、ベスト4進出に貢献した。オーバーエイジをどう活用すべきか。
今回、オーバーエイジは考えていると思いますが、その前に監督が必要だと思う選手をきちんと招集できるような環境を整備しないといけない。まずはそれが重要です。
私がアテネ五輪を率いた時、得点力に課題があったので、高原直泰がまずチームに必要だと思ったのと、彼の良さを生かすには彼を知るパサーが必要でした。それで小野伸二を起用したのです。二人で点を取るパッケージとして考えていたのですが、高原が行けなくなったのが大誤算でした。
どこに、どういう選手が必要なのかは、これからでしょう。Jリーグですごい成長を見せる選手が出てくるかもしれない。また、主力選手がケガをした場合、すぐに差し替えれるようなオーバーエイジの選手を考える必要もありますので、オーバーエイジの候補は10名ぐらい考えておけばいいと思います。
私はオーバーエイジは五輪世代と年齢が近い世代を選択したわけですが、それは意味があるからです。五輪は育成世代なので、上のA代表に繋がらないと意味がない。五輪代表にオーバーエイジの数名を足せば、近い将来のA代表になるイメージでメンバーを選考しました。五輪本大会でメダルを獲るだけではなく、成長してA代表につなげるイメージをしないといけないと思います。