フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
羽生に続きフェルナンデス300点越え!
欧州4連覇達成と、次なる野望。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byISU via Getty Images
posted2016/02/02 10:40
欧州選手権の表彰台。左からバイチェンコ、フェルナンデス、コフトゥン。ふたりの上機嫌、ひとりの不機嫌。
「もっと厳しい戦いが待っている」
フェルナンデスが「日本の壁が立ちはだかっていることもあれば、それがカナダの壁のこともあります」と笑いながら返し、真面目な顔になって「もう何年もSPの難易度を同じに保ってきていたので、そろそろ変える潮時だと思った。下からもどんどん上がってくるし、勝ち続けたいならレベルアップしていくしかありませんから」と答えた。
「新たな歴史を刻むことができたのは嬉しいけれど、これが終わりではない。世界選手権ではもっと厳しい戦いが待っています」と言葉を結んだ。
イスラエルに初の欧州メダル。
フェルナンデスが1位を独走した一方、2位以下の結果は大荒れとなった。
総合2位に入ったのは、イスラエル代表のアレクセイ・バイチェンコだった。本人はウクライナ生まれで、米国のニュージャージーを拠点としてトレーニングをしている。
SP、フリーともに4位だったが、242.56でトップと60ポイントの差で2位に。欧州選手権でイスラエル代表の選手がメダルを獲得したのは、初の快挙となった。
「この大会で表彰台に上がりたいとは思っていた。でも実際にこうしてメダルを手にして、まだ信じられずに言葉になりません」とコメントした。
3位となり、失意に沈んだロシアのコフトゥン。
3位はSP2位から順位を1つ落としたロシアのマキシム・コフトゥンだった。
SP直後の会見ではロシアの記者に「フェルナンデスに勝ちたいと思っているか」と質問されると、英語で「I will kill him!(ブチ殺します!)」と答え、会場内は爆笑となった。
だが……4トウループで転倒し、3度目の4回転になるはずだったジャンプがパンクするなどのミスがあり、演技終了後がっくりと肩を落とした。
「演技直前に、なぜかものすごくあがってしまった。原因はまだわからない」とコメント。
フリーは6位だったが、総合242.21で3位に食い込んだ。