フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
羽生に続きフェルナンデス300点越え!
欧州4連覇達成と、次なる野望。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byISU via Getty Images
posted2016/02/02 10:40
欧州選手権の表彰台。左からバイチェンコ、フェルナンデス、コフトゥン。ふたりの上機嫌、ひとりの不機嫌。
生徒の最後の演技に号泣したニコライ・モロゾフ。
フリー2位だったのは、この大会が引退試合とかねてから宣言していた25歳のフロラン・アモディオ(フランス)である。
2011年に欧州チャンピオンとなってから、怪我などの影響もあって不調のシーズンが続き、ついに世界選手権の表彰台にも届くことがなかった。
競技生活の最後にかつての恩師、ニコライ・モロゾフの元に戻り、モロゾフに見守られながら最後の演技を迎えた。
フリーでは4回転サルコウ、2度の3アクセルなどノーミスの演技を最後まで滑りきると、コーチのモロゾフはボードにしがみついて号泣。フリー162.68、240.96で惜しくも4位に終わった。アモディオは、演技後こうコメントした。
「人生最高の演技を、人生最後の競技で見せることができた。こんな演技を最後に見せるのが、かねてからの夢でした。これまで多くのメダルを逃してきてがっかりしたことも多かったけれど、今日の演技をみんなの記憶に残すことができて、まだ信じられない気持ち」
SP3位だったチェコのミハル・ブレジナは、フリーではジャンプがまったく決まらず総合10位まで落ちた。フリー3位、総合5位だったのはロシアの新星、21歳のミハエル・コルヤダだった。
フェルナンデスの後に大きく空いたブランク。
総合的に見るとフェルナンデスが一人抜き出て300点越えし、2位から4位までは240点台と大きくブランクがあいた。日本などアジア勢、アメリカ、カナダらの北米勢が加わったとき、この隙間は埋められていくことになる。
欧州勢以外の選手たちが出場する、2月の四大陸選手権で、どのような得点展開がみられるか興味深い。