フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
カナダ選手権で「レベルアップを!」。
前“絶対王者”P・チャンの新たな挑戦。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byISU/ISU via Getty Images
posted2016/01/19 10:45
世界選手権3連覇、GPファイナル2連覇(3連覇目は惜しくも3位)、カナダ選手権7連覇、歴代最高得点の前保持者という輝かしい記録を持つチャン。
25歳のチャンが「ぼくはもう若くはない」。
調子が良いときも悪いときも、チャンは言葉を飾らず、いつも率直に語る。
「正直にいえば、かなりのストレスはあります。フラストレーションを感じますよ。彼らはぼくにないものを持っていて、それに追いついていかなくてはならない。今の自分の体力でできること以上のものを、求められているのですから」
少し口ごもりながらも、今の自分がおかれている厳しい立場を明確に言葉にした。
「もうこの世界では、ぼくは若いほうではない。だからトレーニングもきちんと現実的に計画していかなくてはならないんです」
彼が目指しているのは、あくまでも2年後の平昌オリンピックである。
「いずれは4サルコウも練習していかなくてはならないでしょう。でも今はまず、できるところから少しずつレベルアップしていきます」
彼が絶対王者と呼ばれた時代から、わずか数年で男子シングルのレベルは激変した。それでも挑戦を続けるチャンが、カナダ選手権でどのような演技を見せてくれるのだろうか。