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五輪代表を襲う「またか」の問題。
遠藤航離脱で問われる“余白”の力。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2016/01/08 11:00
年末のキャンプで明るい表情を見せるU-23代表と手倉森誠監督。
U-20W杯に出られなかったコンプレックス。
手倉森監督が束ねるU-23日本代表の周辺には、絶えず不安が付きまとってきた。最終予選を間近に控えたいまは、キャプテン遠藤の病気が不安を不信に変えてしまっている。1996年のアトランタ大会から続いてきた五輪出場が、今回ばかりは途切れてしまうのではないか、と。
セントラル開催の一発勝負だけに、何が起こるのかは分からない。遠藤のインフルエンザ発症だけでなく、さらなるアクシデントがチームに降りかかるかもしれない。
それでも、指揮官の表情に陰りはない。'14年秋のアジア大会でベスト8に終わったときも、'15年春の五輪アジア1次予選で得点力不足を指摘されたときも、手倉森監督は表情を変えなかった。
「この世代はU-20W杯に出られなかったことがコンプレックスになっていたけれど、そんな彼らがチームとしてのまとまりを持つ、つまり日本人らしさを発揮することで勝利をつかみ、自分への自信を深めていけば、世界へ打って出ることができる」
U-20W杯のアジア予選でベスト8敗退に終わり、手倉森監督指揮下でもアジアの大会では準々決勝敗退が続いた。
だが、今回ばかりは「またか」とは言わせない。