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想定外尽くしの1年だったヤクルト。
トリプルスリー、セ界制覇は続くのか。 

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日比野恭三

日比野恭三Kyozo Hibino

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photograph byHideki Sugiyama

posted2015/12/25 10:50

想定外尽くしの1年だったヤクルト。トリプルスリー、セ界制覇は続くのか。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

トリプルスリーを達成し球史に名を残した山田。リーグ優勝にも大きく貢献しての偉業だった。

期待された先発陣の覚醒は、果たしてあるか?

 2013年の春キャンプ、小川淳司監督(当時)に「期待する若手は誰か」と尋ねた時、最初に挙がったのが村中の名前だった。

「やはり去年(2012年)2桁勝った村中ですね。以前(2010年)も2桁勝ったことがあったんですけど、次の年にその活躍を生かせなかった。そういう反省が彼自身の気持ちの中にも大きくあると思うんでね。非常に期待は持てるんじゃないか」

 だが期待の長身左腕は5勝(2013年)、2勝(2014年)と勝ち星を稼げず、腰などを痛めた影響もあって2015年は一軍登板ゼロに終わった。28歳となった村中は今オフ、40%ダウンを受け入れた契約更改後の会見で「秋季練習では1200球ぐらい投げた。いい感じだったので、12月、1月もこの状態を維持して2月のキャンプに入りたい」と語ったという。日本シリーズでは、真中満監督が村中登板の可能性に触れたこともあった。3度目の2桁勝利で華麗にカムバックする姿を期待したい。

 ペナントを獲った明くる年、他チームは「スワローズは強い」という想定のもとで向かってくる。そこで“想定どおり”の強さを見せつけるには、勢いづく打線に先発投手の安定度という武器が加わることが不可欠だ。

 期待の高さに見合った成績をいまだ残せていない先発陣の“眠れる獅子”たち――燕の浮沈は、彼らが目を覚ますかどうかにかかっている。

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