セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
新エース誕生でユーベが完全復活。
テベスを手本に成長を続けるディバラ。
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byAFLO
posted2015/12/18 10:30
22歳のディバラはそのルックスもあいまってユベンティーノの注目の的。偉大なるテベスの後任という大役を果たせるか。
「テベスと比較するのは来年6月まで待ってほしい」
相手に主導権を多少譲っても、チームの重心を下げ、ボールを奪ってからの素早いリスタートに攻撃の比重を置く欧州仕様の新戦術にはトップ下の居場所はない。それでも、チャンスに迷わない判断力と抜群のシュート精度を持つセカンドトップとしてのディバラが、国内外のどんなゲームでも、ユーベの先発を外れることはもはや考えにくい。遅れていたFWマンジュキッチとのコンビプレーの熟成もこなれてきた。ライバルたちは戦々恐々だろう。
アッレグリが「シーズンの分水嶺」と位置付けた2位フィオレンティーナとの16節も、ユベントスは開始2分で先制される苦しい展開から、3-1の逆転勝ちを収めた。
マンジュキッチによる80分の逆転弾を御膳立てしたディバラが、91分にドリブルで抜け出し、左足でとどめの3点目を突き刺した。“テベスの後継者”の屈託ない童顔には、ストライカーとしての野心が宿る。
「テベスのようにタイトルを勝ちとりたいんだ。彼と比較するのは来年6月まで待ってほしい。まだ優勝できると俺は信じている」
白熱の上位対決を制し6連勝を挙げたユベントスは、ローマを抜いて4位に浮上。年内最終戦の相手カルピは降格圏内の昇格組で、勢いに乗るユーベの7連勝は固い。
ついに“老貴婦人”までもが、スクデット争いに名乗りを上げた。冬の王者が決まるまでに、まだひと波乱ありそうなセリエAの群雄割拠はなおも続く。