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外国人騎手を買えば当たる、のか?
砂の王者はサンビスタとデムーロ。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2015/12/07 11:30
単勝66.4倍をつけたサンビスタ。ミルコ・デムーロは皐月賞、ダービーに続き今年GI3勝目。
「自分の競馬」に徹した1、2着馬。
かつて、多くの外国馬が出走したジャパンカップは、普段日本で乗っていない騎手ばかりなので極端なペースになりやすく、展開が読みづらいと言われていたが、今年のチャンピオンズカップは、それと同種の難しさが出たレースだったように思う。
その難しいペースにコパノリッキーは巻き込まれ、それを負かすべくレースを進めたホッコータルマエも最後に失速した。
サンビスタは馬群のなかで折り合いをつけ、ノンコノユメは後方で脚を溜め……と自分の競馬に徹し、結果を出した。コパノリッキーとホッコータルマエも、今回のレースが「自分の競馬」だったわけだから、それを貫いたという意味では1、2着馬と同じだったが、流れが味方してくれなかった、ということか。
国際レースにありがちな乱ペースのなか頂点に立ったのが「世界のスミイ」の管理馬だったというのも面白い。サンビスタを生産したグランド牧場は、角居調教師が高校卒業後、競馬サークルに入る前に3年間働いた牧場である。
サンビスタは今年限りだろうが……。
サンビスタは12月29日の東京大賞典に出走するかもしれない、とのこと。出るにしても出ないにしても、来年は7歳だから、牧場に戻ってお母さんになるのだろう。
2着のノンコノユメは今なお成長期にあり、強くなっている真っ最中だ。デビューからずっと、勝っても負けても上がり最速だったが、今回初めて、他馬に自分より速く上がられた。
ノンコより速く上がったのが、3着のサウンドトゥルーだ。この馬は5歳。GI初参戦となった前走のJBCクラシックで2着、そしてここで3着なのだから、これからが楽しみだ。
東京大賞典もあるし、来年の川崎記念も、フェブラリーステークスも、ドバイも……と、砂のエンタテインメントは、私たちを飽きさせることがない。