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外国人騎手を買えば当たる、のか?
砂の王者はサンビスタとデムーロ。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2015/12/07 11:30
単勝66.4倍をつけたサンビスタ。ミルコ・デムーロは皐月賞、ダービーに続き今年GI3勝目。
前にいった馬が総崩れの中で勝ったサンビスタ。
「スタートがよく、いいポジションをとることができて、ずっといい手応えだった。4コーナーで少し狭くなったけど、直線で頑張ってくれた」
勝ちタイムは1分50秒4。
1馬身半差の2着はノンコノユメ。首差の3着はサウンドトゥルー。これら2頭は、道中、最後方と後方2番手にいた馬だ。
先行馬に厳しい流れになったことは、ホッコータルマエが5着、コパノリッキーが7着、序盤でコパノに絡んだクリノスターオーとガンピットが15、16着に沈んだことが示している。
サンビスタは、その厳しい流れのなか好位から中団につけ、最後に突き抜けたのだから恐れ入る。これまでどうして負けたんだ、と言いたくなるほどの強さだった。
GIは、昨年のJBCレディスクラシックに次ぐ2勝目。重賞は6勝目。
角居勝彦調教師は2005、08年のカネヒキリに次いでチャンピオンズカップ3勝目、デムーロは初勝利。
海外馬は1頭だったが、騎手は6人が外国人。
このレースは'00年にジャパンカップダートという名称で創設された国際招待レースだったが、昨年現在のレース名になったと同時に招待レースではなくなった。右回りの阪神競馬場で行われていたときは、すべての競馬場が左回りであるダート競馬の本場アメリカからの招待馬がなかなか集まらず、国際色に乏しい年がつづいた。
今年もアメリカの馬は参戦せず、外国馬は香港のガンピットだけだったが、それにしては「国際レース」らしい雰囲気があったのは、外国人騎手が6人も騎乗していたからではないか。1、2着は日本の騎手ではあるが、外国籍のミルコ・デムーロとクリストフ・ルメール。デムーロは今年3月から、ルメールは4月から通年で乗りはじめ、すでに100勝を突破している。
「外国人騎手を買えば馬券が当たるんだから簡単だ」という声も聞こえてきそうだが、今回、ブービーとしんがりになったのも外国人騎手で、ヒュー・ボウマンとザカリー・パートンだった。彼らも日本で短期免許を取得して乗っているとはいえ、デムーロやルメールほど、コース特性や日本馬の力関係などを熟知しているわけではない。