サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「本田はDFの背後に走り始めている」
ハリルが中学生合宿で語った日本論。
text by
西川結城Yuki Nishikawa
photograph bySports Graphic Number
posted2015/12/03 11:10
中学生にとって貴重な機会だったのは間違いないが、ハリルホジッチ監督にとっても思うところあっての登場だったのだろう。
本田「練習してできるようなポジションなのかな」
そこで浮上した、“本田ストライカー論”。思い出されるのは、2010年W杯。当時の岡田武史代表監督が大会直前に本田を1トップに据え、成功を収めたあのスタイル。本田自身はストライカーの役割について、「今はあんまり考えてないですけどね。FWってなんか、そんな練習してできるようなポジションなのかなっていう疑問はある。野性の勘みたいな、そういうのはほとんど僕は持ち合わせてない」と語る。
しかし、たとえゴールの嗅覚は本職の選手ほどではないにしても、それ以上に空中戦で戦え、競り合いでも物怖じせず、さらには裏への意識を持つ本田のプレーを、ハリルホジッチ監督はFWとしても高く評価しているのだ。
中学生を集めたキャンプは成功に終わった。今回、ハリルホジッチ監督の言動からは現在抱いている代表や日本サッカーへの考えが色濃く伝わってきた。未来の明るい才能への期待と、現状への危機感。そして代表を指揮し始めた2015年、その終わりに痛感していること。
それは「日本には、デュエルできるFWが不可欠」ということだった。