全日本ラリー選手権レポートBACK NUMBER
好天に恵まれ5万人超の観客が来場。
勝田親子がJN6、JN5クラスを制覇!
text by
CINQ(サンク)CINQ
photograph byCINQ
posted2015/11/13 17:50
表彰台で祝福される勝田範彦。息子・勝田貴元の将来も楽しみとなった。
新城ラリーの最多優勝回数6回を記録した男。
7本のSSが用意された2日目は、1日目に勝田が新井を大きくリードしたテクニカルステージのSS雁峰北は設定されず、新井の得意とする高速ステージのSS鬼久保が2本設定されている。
新井は、1日目と同様に高速ステージ2本でタイム差を詰めてくるものの、勝田もこの日新たに設定されたSS11とSS15でベストタイムを奪い応酬。
終盤まで両者の差はほぼ変わらず、初日に築いたリードを生かした勝田が逃げ切り、第3戦以来となる今季3勝目を挙げた。
「今シーズンの途中に先代モデルのWRX STIから現行型のWRX STIに乗り換えてから初めての優勝となりました。なかなか勝てずにいたので、正直ホッとしました」と、喜びを語る勝田。勝田は新城ラリーの最多優勝回数を6に伸ばすこととなった。
2位には新井、3位には昨年までこのラリーを2連覇していた奴田原文雄/佐藤忠宜(三菱ランサーエボリューションⅩ)が入った。
若手育成ドライバー枠の選手が注目を集める。
アバルト500ラリーR3Tやプジョー208GTi、ミニ・クロスオーバーといった輸入車勢に加え、今シーズンのタイトルを獲得したトヨタ・ヴィッツGRMNターボ、2013年から’14年にかけ2年連続タイトルを獲得したトヨタ86/スバルBRZ、今シーズン限りで全日本ラリーの舞台から消す三菱ミラージュ、ホンダ/インテグラTYPE-Rなど、出場車種がバラエティに富むJN5クラス。
最終戦はGAZOO Racing チャレンジプログラムの若手育成ドライバーに選出され、フィンランドでトレーニングを行なう勝田貴元/足立さやか(トヨタ86)と新井大輝/フィル・ホール(トヨタ・ヴィッツGRMNターボ)が出場し、注目を集めた。
1日目は、WRCやERCで活躍するFIA規定のR車両を全日本ラリーに投入した眞貝知志/漆戸あゆみ(アバルト500ラリーR3T)と、今シーズンのチャンピオンを獲得した天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツGRMNターボ)、さらに第8戦で優勝を飾った山口清司/竹原静香(トヨタ86)が三つ巴の戦いを展開。
注目の新井大輝は今回のラリーで初めてステアリングを握るヴィッツGRMNターボに慣れるために序盤はクラス6~7番手を走行。中盤からペースを上げようとするものの、ターボトラブルに見舞われペースが上がらず、1日目は8番手でフィニッシュ。サービスでターボ交換を行ない、2日目の巻き返しを図った。