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岩田寛は米ツアーで絶対愛される!
一途でエモーショナルな個性派。
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph bySonoko Funakoshi
posted2015/10/06 10:45
ツアーカードを遂に手にした岩田寛だが、「不安の方が大きい」と意外な言葉を発していた。
エモーショナルで一途なゴルフ狂。
自分を「バカだ」と思うほど、エモーショナルで一途。自分を漫画の主人公にだぶらせ、「あの気持ち、すごいわかる」と言うほど、岩田はゴルフ好きでゴルフ狂だ。アメリカへの憧憬の念は、子供のころから抱いていたという。「アメリカは最高峰だから」。
昨秋、HSBCチャンピオンズで3位になったことで今回のファイナル4戦出場資格を得たが、岩田が憧れの最高峰に直にアプローチをかけ始めたのは、実を言えば7年も前のことだ。
2008年に米ツアーのQスクールに挑み、107位に終わった。2年前にもQスクールに挑み、メンタル面から乱れて失敗。「いつまでこんなことしてるんだ?」と自問し、首を傾げたそうだ。
2004年にプロ転向し、2014年のフジサンケイクラシックで初優勝を遂げるまで、11年間に2位が3回、3位が5回。HSBCチャンピオンズの惜敗は「一番悔しかった。何で(あのとき)こうしなかったのかって(考えて)、3日ぐらい眠れなかった」。
「米ツアーに出ていたらホントに病んでいた」
Qスクール不合格も試合での惜敗も、「何で? 何で?」と自責の念に駆られたというのに、今では「それで良かった」と感謝さえしていると岩田は言う。
「あのときQスクールに通らなくて良かった。あのときに通って(米ツアーに)出ていたら、心を病んで帰ってきたと思う」
「あのときHSBCで勝っていたら、今年米ツアーに出ていたわけだけど、今年は1月から5月まですごい調子悪くて、まったくダメで、もしも米ツアーに出ていたらホントに病んでいたと思う」
ファイナル4戦を戦い抜き、ついに米ツアーへの切符を手に入れた今は「完全には(出る準備が)整ってはいないけど、早く行かなきゃ」。ようやく笑顔で米ツアーへのスタートラインに立った。