スペインサッカー、美学と不条理BACK NUMBER
メッシ離脱で窮地のバルセロナ。
追加登録は不可能、FWは若手頼み!?
text by
工藤拓Taku Kudo
photograph byGetty Images
posted2015/10/01 10:40
メッシ離脱中にタイトルの可能性が潰えるようなことがないといいが果たして……。
カタルーニャの独立問題は微妙な状況に。
しかもメッシ不在の2カ月間には、今後もセビージャとのアウェー戦、ビジャレアルとのホーム戦など、たとえメッシがいても手を焼きそうな試合がいくつもある。
何より国内のファンとメディアが案じているのは、11月22日に行われるレアル・マドリーとのエル・クラシコに間に合うかどうかだ。ちょうど8週目に当たるクラシコまでにケガが完治する可能性はあっても、この試合をトップコンディションで迎えることは難しいと考えるのが自然だろう。
27日の州議会選挙は、独立賛成派政党の獲得議席数が過半数を僅かに上回ったものの(135議席中72議席を獲得)、得票率は独立反対派の51.7%に対して47.8%にとどまるという(0.5%は白紙票)、何とも微妙な結果に終わった。
アルトゥル・マス州首相は公約通り1年半後の独立に向けて動き出す意向のようだが、スペイン中央政府のみならずEU各国も反対の意思を示しているだけに、事はそう簡単には進まないはずだ。
それはルイス・エンリケについても同じことが言える。昨季は3トップの個人能力を最大限に生かすスタイル、言ってしまえば「MSN」に攻撃を委ねることで最高の結果を手にしたものの、2年目の今季はそう一筋縄ではいかなそうだ。
「不運が続くが、それが人生。サッカーに限ったことではない。全てがうまくいっている時にパフォーマンスを上げるのは簡単だが、今こそチームの底力が問われる時だ」
彼の言う通り、絶対的エースを失った今こそ、監督として真の力量が問われる時となりそうだ。