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湘南が育てた「1億円の日本代表」。
大倉社長が語るクラブ規模と育成。
posted2015/09/30 10:50
text by
並木裕太Yuta Namiki
photograph by
Takuya Sugiyama
1億円
(浦和レッズが遠藤航の獲得に提示したとされる移籍金の額)
2018年ロシアW杯に向けてアジア2次予選を戦っている日本代表メンバーに、最年少で選出されているのが湘南ベルマーレの遠藤航選手(22歳)です。国内組で組織された東アジア杯で中心選手として起用され、9月8日のアフガニスタン戦では途中出場でW杯予選デビューを飾るなど、ハリルホジッチ監督からも高い期待を寄せられています。
先日のW杯アジア2次予選に招集された23選手のうち13選手が国内組ですが、その所属クラブは下記のようになっています。末尾の数字は各クラブの営業収益(2014年度)です。
浦和レッズ(西川周作/興梠慎三)58.5億円
名古屋グランパス(永井謙佑)40.4億円
鹿島アントラーズ(柴崎岳)40.0億円
ガンバ大阪(東口順昭/丹羽大輝/米倉恒貴/宇佐美貴史)38.6億円
FC東京(森重真人/丸山祐市)38.6億円
セレッソ大阪(山口蛍)37.7億円
ベガルタ仙台(六反勇治)22.5億円
湘南ベルマーレ(遠藤航)11.2億円
遠藤選手の所属する湘南は、昨季J2だったという事情もありますが、代表選手を輩出している他のクラブに比べて売上規模が小さいことがはっきりと見て取れます。私は、親会社を持たない小さな市民クラブである湘南から代表選手が出てきたことに、率直に驚きを感じました。
昨年11月、遠藤選手をめぐっては、Jリーグ最大のクラブである浦和レッズから獲得の正式オファーが届き、その移籍金は1億円と推定されるとの報道がありました。残留という結果になりましたが、言ってみれば遠藤選手は「1億円の日本代表選手」となったわけです。