プレミアリーグの時間BACK NUMBER
ルーニーが“偉人”を抜く代表50点。
今季はFW専念で、クラブでも250点へ。
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byAFLO
posted2015/09/12 10:40
イングランド代表では最年少得点記録も持つウェイン・ルーニー。オールド・トラッフォードにボビー・チャールトンらとともに銅像が建てられる日も近いか!?
戻りすぎず、最前線に居座る必要がある。
もちろん、ルーニー自身にも改善は求められる。ボールを求めて最前線の持ち場を離れる傾向を抑えることだ。ホームでニューカッスルとスコアレスドローに終わった3節の低調はルーニーにも責任の一端がある。
攻撃のフィニッシュ役が頻繁に2列目トリオよりも低い位置まで下がっているようでは、7割ものボール支配率が得点として反映されなくても仕方がない。この点も、やはり持ち前の「チームのために」という意識が影響していると思われるが、今季の自分に最も求められている、ゴールという仕事を意識する必要がある。
ある意味、ルーニーという選手の本能を抑えるような意識の変更だが、やればできるという実績はある。昨季のマンUは4-3-3を基本とした後半戦にチームが攻撃的に機能してトップ4返り咲きを果たしたのだが、その間のルーニーは、「中盤のバトルには加わらないようにして、相手CBとの駆け引きに勝ってスペースをついたり生み出したりすることに注力したんだ」と、シーズン末のTVインタビューで明かしている。
マンUでもチャールトンの記録を視野に。
当人は、続く今季プレシーズン中に次のようにも言っている。
「自分のベストポジションはストライカー。年間20得点以上はあげたい。でなければ自分で自分に納得がいかないだろう。ストライカー起用にゴールで応えられることは代表での数字を見てもらえばわかるはずさ」
代表歴代得点王がストライカーとしての適性を疑われるのだから、プレミアのピッチとは厳しい世界だ。そのルーニーがマンUストライカーとしても拍手喝采を浴びるためには、当人には相手ゴールのネットを揺らすこと、周囲のサポート陣には相手ゴールに迫ることへのより積極的な姿勢が不可欠となる。そうすれば結果は自ずとついて来るに違いない。
そして、ルーニーによる今季2度目の歴史的な偉業達成も。やはりチャールトンが記録を持つマンU歴代最高得点数は「249」。ルーニーは通算230得点で今季開幕を迎えている。自身が「可能」と信じる年間20得点台を記録すれば、マンUでも「偉人」から歴代得点王の座を奪えるのである。