日本でプロキャディが始めたレッスンアプリ。

　しかし彼ら、彼女らが選手をどうサポートしてゴルフ界全体に貢献するか、ひいては自分たちの価値を高めるか、といった術は、なにもコースの中だけにあるとは限らない。法の力に委ねた米ツアーのキャディたちとは違うやり方もある。

　日本の男女ツアーを職場とする、あるキャディたちの話である。

　今年4月、「スポともGC」というインターネットを介したスマートフォン用のサービスがオープンした。

　観る人以上に、プレーするスポーツ人口の多いゴルフ。スマホで撮影した一般ゴルファーのスイングを、実際にツアーで活躍するトップ選手にもオンライン上で添削指導してもらえるという画期的なレッスンアプリだという。

　これに付随して公開されたのが、「スポともGC通信」という情報サイトである。日本の男女ツアーで長年活躍する計19人のプロキャディが取材・執筆を担当し、ブログ形式で記事や動画を発信しているのだ。

メディアでは中々見られない裏側の話が満載。

　何年もツアー転戦をしているキャディらしく、コースの攻略ルートを記した考察にはじまり、選手と日常をもともにする彼ら、彼女らだからこそ知り得る情報がサイトに躍る。岩田寛のように、メディアが言葉を引き出すのに必死になる選手のリラックスした表情も見受けられたりして、報道する側としては苦虫を噛み潰したような顔にもなる。

　このサイト、アプリ開発に携わった小岸秀行さんは、数々のトッププロのバッグを担いだプロキャディ。現在は主に男子ツアーで川村昌弘とタッグを組む41歳だ。

　アマチュアゴルファーだった小岸さんが、プロゴルフの世界に飛び込んだのは約20年前。キャディの学生バイトがきっかけで、キャリアの初期は岡本綾子をはじめとした女子プロのサポートがメインだった。当時の女子ツアーは、現在に比べて人気低迷期。「男子ツアーはたくさん試合があるのに、なんで女子は少ないんだろう……と考えていました」と言う。

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