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U-18W杯で清宮・オコエが更に高く!
甲子園開催の決勝に“帰って”こい。
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph byKyodo News
posted2015/08/28 10:50
8月26日にナイターで開催された、高校JAPANvs.大学JAPANのU-18W杯壮行試合。投手は田中正義、打者は4番を務めた清宮。
西谷浩一U-18日本代表監督が掲げた理念とは?
チャンピオンシップというより親善試合としての意味合いが強かった“高校JAPAN(U-18日本代表)”は、夏の甲子園で活躍した選手たちへのご褒美というイメージが強かった。なので、多くの場合甲子園に出場した選手だけで構成されることが多いU-18代表は、世間での認知度も高くはなかった。
しかし、藤浪晋太郎(阪神)、大谷翔平(日本ハム)、森友哉(西武)、田村龍弘(ロッテ)らを擁して戦った前々回の2012年(成績は6位)あたりから大きく風向きが変わり始めている。
前回に引き続き監督を引き受けることになった西谷監督が、これまでの成果をこう振り返っている。
「『勝ちにこだわりたい』ということで(監督就任の)話をお受けしましたが、僕が連盟の方にお伺いしたのは『メンバーが、全員、甲子園に出場していない選手になってもいいですか』ということでした。実際には有り得ないことなんですけど、それでも、連盟からは『勝つために必要な選手たちならば、どんどん推薦してほしい』と言っていただきました。『甲子園に行きたい』、『プロに行きたい』に加えて、『高校JAPANに入りたい』という一つの目標が、高校球児の間にも出て来るようになれば、日本の野球界も少しは変わってくるのではないでしょうか」
オコエ瑠偉も、甲子園でJAPANを意識して戦っていた。
今大会へ向け、合宿初日や2日目の練習を取材し選手たちの言葉を拾ってきたが、この代表の存在を以前から認知していた選手たちを多く確認できた。
そのうちの1人がオコエ瑠偉で「甲子園の予選が始まるころは、甲子園のことだけしか考えていませんでしたけど、頭の片隅にはこの代表チームがあることを意識していました。甲子園では結果的に上まで勝ち上がっていけたので、(高校JAPANの)メンバーに入ることができたらなぁ、とは思っていました。すごいメンバーなんで、選ばれてうれしいです」と話してくれた。
メンバーで唯一甲子園経験のない森下は、さすがに代表入りまではイメージしていなかったと言うが、地方大会での敗退後、代表入りの可能性を地元の高野連などから示唆され、練習に励んでいたという。
甲子園1回戦で敗退した舩曳海(天理)は「(甲子園の敗退の後)帰省していたんですけど、体を動かしておけとは言われていたので、準備はしていた」と言う。