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錦織圭、立ちはだかる“BIG3”に挑む。
前哨戦で見せた不安も払拭、全米へ!
text by
秋山英宏Hidehiro Akiyama
photograph byAFLO
posted2015/08/27 11:00
ウィンブルドン、ロジャーズ・カップと、度重なるケガに悩まされた今シーズンの錦織だが、すでに回復、全米には万全で臨む。マリーはロジャーズ・カップで3時間の激闘の末にジョコビッチを撃破。マスターズ11勝目を挙げた。
全米準決勝で、錦織の前に立ちふさがる「BIG3」。
錦織が欠場したシンシナティを制したのはロジャー・フェデラーだった。この会場のコートは球足が速いことで知られる。フェデラーにとっては最も得意とするサーフェスであり、これまでに6度タイトルを握っている。その絶対的な自信を裏付けに、超攻撃的なスタイルを披露した。決勝では、ノバク・ジョコビッチのセカンドサーブをリターン&ネットで攻め立てた。フェデラーのリターンでのポイント獲得率は39%と、ジョコビッチの21%をはるかに超えた。終始攻めた結果が7-6、6-3のスコアとなった。
ジョコビッチの“生涯ゴールデン・マスターズ”(マスターズ1000大会全制覇)を阻止し、87個目のツアータイトルを手にしたフェデラーは大会をこう振り返っている。
「自信になるね。勝利も得られたし、1週間プレーしてもまだまだ元気だ。よく動けていたし、ボレーも、フォアハンドもよかった」
全米前哨戦の2大会で印象に残ったのは、モントリオールを制したマリーのしたたかさであり、フェデラーの攻めの厳しさだった。優勝はなかったが、どちらの大会でも準優勝とジョコビッチにも安定感があった。
全米でグランドスラム初制覇をねらう錦織の前に、この3人が立ちふさがる。手強い相手であることは間違いない。しかし錦織も昨シーズン、この3人に一度ずつ土をつけている。全米開幕を前に錦織は、静かな、しかし自信に満ちた言葉をブログに綴った。
「1つずつの試合を集中してやっていけば、上まで行くチャンスは十分あるのを感じてます」
第4シードとして全米に臨む錦織。「BIG3」と当たるのは準決勝以降だ。当面の目標は4強入り。頂点を目指す錦織の、本当の戦いがそこから始まる。