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「現役としての終わりは見えている」
本田圭佑が明かした真意とは?
posted2015/08/20 12:30
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph by
Takuya Sugiyama
Number884号では、約5年ぶりとなる超ロングインタビューを敢行。SVホルンからACミラン、そして日本代表や監督論まで縦横無尽に語り尽くした。
濃紺のジャケットにグレーのパンツというビジネススタイルで現れた本田圭佑。両腕の手首にはいつもの通り、2種類の腕時計が巻かれている。
「今日は人間・本田圭佑を徹底的に浮き彫りにしたいと思います」と告げると、穏やかに微笑みながら「よろしくお願いします」と答えた。
まず疑問だったのは、なぜ現役選手として脂の乗っている“今”、SVホルンの経営権を握り、実質オーナーの道を歩むのかということである。穿った見方をすれば、ブラジルW杯で思うように結果が残せず、現役選手としても終わりが見えてきたから、別の分野に視野を広げているのではないかと考える人も少なからずいるのではないか? そう率直に問うと、本田は意外にもあっさりと認めた。
「プロになった時から終わりを見据えてきた」
「もちろん、(現役選手としての)終わりは見えていますよ」
だが、ここから少し声のトーンを上げて本田節が続く。
「もっと言えば、プロになった時から僕は終わりを見据えてきました。ただ、誤解してほしくないのは、今回のホルンの件がここ1、2年で思いついたアイディアではないということです。もしかしたら、本田圭佑はブラジルW杯で日本が惨敗した後に、このプロジェクトを進めたのではないかと思っている人も多いのかもしれない。でも世の中の仕組みや物事を知っている人ならわかるはずです! 例えば、半年前にこのアイディアを思いついて、実際に形になるまでにどれだけの時間が必要なのかと。ホルンに行き着くまでに、どれだけのリサーチと交渉を経て、今に至っているのか。1、2年単位の話ではないですよ、というのは理解していただきたい。つまりニュースに出ていることだけが“真実”ではないということです」